fikaso#03 内はそと 外はうち~



- 京町家
- 庭
- 火袋・吹抜
初めてこの家を訪れ、高い塀に囲まれたお庭でフッと上を見上げてみると、
そこには真っ青な空が自分のためだけに広がっており、
とても心地よい風を感じました。
このプライベートな感覚を大切にしたいという想いから、
今回のテーマを『内はそと外はうち』としました。
もともと室内であった空間の一部を敢えてインナーテラスにしてあげることで、
お庭の居心地の良さをググっと室内側まで引っ張り寄せてみました。
またお庭北面の塀の下見板張りが、そのまま室内までつながることで、
ウチソトに一体感が生まれ、内であり外でもあるという曖昧な空間が
生まれます。
この空間を勝手に「内はそと外はうち」ゾーンと呼んでいます(笑)
リビングのソファでうたた寝するもよし
リビングとインナーテラスの段差で本を読むもよし、
インナーテラスのチェアで珈琲飲むもよし、
デッキでお月見するもよし、
お庭で植木をいじるもよし、
どうやら「内はそと外はうち」ゾーンではあれもこれもと
欲張ってもよさそうです。
吹き抜けでスパッと抜けた開放感のある階段を登ると
そこに待っているのは天井の高いライブラリースペース。
日中は2つのトップライトから明るい光が燦燦と降り注ぎます。
例えば寝る前にここで谷崎潤一郎の陰翳礼賛を読んでみる、
なんてのはいかがでしょう?
あるいはポール・オースターのニューヨーク三部作ってのも
ありかもしれません。
居心地のいい空間をあちらこちらに散りばめ、
使い方に想像力の掻き立てられるおうち、「内はそと外はうち」。
この家に珈琲の香りを漂わせてみませんか?