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千本寺之内から西に入った西陣エリアの一角、細い道を入った静かな住宅街の中に、とあるラーメン店が開店しました。

この建物は築年数不詳ですが閉鎖謄本の記録によると昭和23年9月の記録があり、この西陣エリアで多く見られる、西陣織などの機械をおくための広い空間がある「織屋建」という町家でした。

2020年9月に八清で購入いただき、2022年初夏新たに「kei Kyoto」として生まれ変わりました。

開店まで2年かかったの?と思われたかもしれませんが、このお店のすごいところは、店主の佐澤慧さんがDIYでリノベーションしてお店をつくり上げたこと。

佐澤慧さんは京都の名旅館「柊家」で副料理長を務め、その後ロンドンの高級懐石料理店「UMU」でも副料理長を務めた和食一筋の料理人。

そう、DIYはまったくの初心者!!

プロにお願いしたところもありますが、セルフリノベーションしてようやく開店にまでこぎつけました。

小さいバール3本からすべてははじまった

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リノベーション前の建物

「はじめは、会社のみんなでDIYしよう話だったんですが、気づいたら一人でやっていました...(笑)」と佐澤さん。

購入時はフルリノベーションが必要なほどボロボロの状態。

八清で設計士と工務店をご紹介し、プロの設計図と大工さんのアドバイスはあるものの、ほぼ一人。

まず、はじめに心が折れたのが解体だそうで、解体だけで3か月ほどかかりました。

「道具も全然わからないから、小さいバールからスタートしたんです。

あとからプロが使う道具ややり方を知って、もっと効率よくできたやん!って思いました(笑)」

本当に抜いていい柱や壁がわからないので、大工さんに聞きながらこわごわやっていたそうです。

内装は出来上がっていく様子がわかるので達成感もありますが、解体はなかなか大変な作業です。

廃材を処分するのも大変で、車で何度も伏見にある産廃業者まで運んだそうです。

佐澤さんによると「古民家をいじっている人がわりといるみたいで、瓦や畳などは『ジモティー』に出すと無料ですが引き取ってもらえました」。

急な階段の上り下りや、重いものをたくさん運ぶなど、慣れない作業でヒザに水が溜り心身ともに疲弊...

動画撮影していたのも時間がかかった要因だそうで、YoutubeでDIYの様子を公開しています。

リノベーションの工程がわかりやすいのでとても参考になると思います。

次に大変だったのが外壁。

足場を組んで高所での作業です。

外壁として塗られていたモルタルを切り出してはがしていく作業は、人が下を歩いていることもあるのでタイミングを見計らい落さないように慎重に作業します。

道をトラックが通るときは足場が揺れてさらに怖い。

けれど、足場での作業もだんだんと慣れてくると大工さんのような動きに。

この後、基礎、天井、2階、1階と進めるにつれ、道具もプロ並みに揃い、覚醒していきます。

そして、ついに2022年の5月、プレオープンへとこぎつけました。

一番のおすすめ箇所は?とうかがうと、「トイレです!」と即答。

飲食店はトイレがきれいじゃないとダメと強いこだわりがあったそう。

また、上り下りが辛かった推定傾斜80度の急階段から、新しい階段を大工さんが架け替えてくれたときは涙が出そうなほどうれしかったそうです。

その急(旧)階段の廃材をトイレの手洗い台の足にしたり、棚を作ったりと様々なところに再利用しています。

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1階 BEFORE 奥に例の急階段が

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1階 AFTER

DIYとは思えない洗練された空間に!

まだ手を加えたいところがあるとはいうものの、この完成度の高さはすごいです。

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2階 BEFORE

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2階 AFTER 一番左が佐澤さん

ただ、もうやりたくはないそうです...

まちに溶け込むお店へ

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お店を開店する上で、課題となったのがご近所とのお付き合い。

購入時にはもちろん、「ラーメン店をやります」とあいさつ回りはしましたが、静かな住宅街にラーメン店ができることで、生活に支障をきたすのではないかと不安に感じられる方もおられます。

リノベーションをしているとあいさつしてくれる人もいれば、「何になるの?」と声をかけてくれる人もいて、ご近所の方とのコミュニケーションはとても大切にしているそうです。

「この場所で商いをするということで、ご近所にも配慮しながらお店をやるというビジネスモデルをしっかりと考えなければいけないと思っています。

町内のゴミ拾いをしたり、試食会を行うなど、このまちに受け入れてもらえるよう努めてきました。

まだ開店したばかりでお店がどのように軌道に乗っていくか見えていないところもありますが、第一にご近所への配慮を大切にしながら、お客様にも居心地よく料理を楽しんでいただける空間にしたいと思っています」

もちろんラーメンは絶品!

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リノベーションも終盤に差し掛かり、次はいよいよラーメンづくりへと気持ちの切り替えがなかなか難しかったそうです。

これまで佐澤さんが経験してきた懐石料理は複数の料理を提供することでストーリー立てることができましたが、ラーメンはこの一杯で勝負するというのが難しいところ。

試行錯誤を重ねる毎日を送っていたそうですが、以前から使いたいと思っていた醤油麹を試したところすぐに味が決まったそうです。

和食料理人ならではの旨みが溶け込んだ出汁と醤油麹が合わさったスープに、小麦が香る麺が絡みます。

ラーメン店では嗅いだことのないお肉が焼けるいいにおいがするなと思っていたら、ラーメンにのっているチャーシューにびっくり!

炭火でレアにあぶられたお肉がのっています。

この一杯はぜひ味わってみる価値ありですよ!

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パリパリで美味しいうえに食べやすい手羽先唐揚

Youtubeを見てから訪れるとこのリノベーション町家のすごさがより実感できるはずです。

今回ご紹介したスポットこちら

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