
ビル活用や建物の魅力を深堀りし、みなさんをおもしろビルの世界へ誘う記事企画「ビルまにあ」。
第三弾は岡崎エリア、聖護院に位置する「2wa(ニワ/ツーダブリューエー)」。
地上4階・地下1階からなる、2025年秋にオープンしたばかりの複合施設です。
地域のランドマークから始まる、ウェルネスなビジネスのかたち。
2waの建つ場所にはもともと、1968年築の「東山二条団地」と、その1Fに入居する「イオン東山二条店」がありました。
地域のランドマークとして長年愛される存在でしたが、耐震性の問題で取り壊しが決まり、2021年9月に閉店。
そこから4年経った今年、地域の新たなランドマークとなるべく誕生したのが、2waです。
『ウェルビーイング』をコンセプトに、B1階~2階にはスーパーマーケット、飲食店や健康を支えるクリニック・サービス※、3・4Fにはオフィスが集います。
二条通に面したスーパーマーケットのインパクトはもちろん強いですが、実はオフィスフロアこそが2waの鍵。
住むことと働くことの心地良い両立を提案する、新しいビジネス拠点なんです。
※テナントは順次オープン予定
「暮らすように働く」という提案

なぜ、ビジネス街のイメージがない岡崎エリアにオフィスをつくるのか。
その背景には、2wa周辺の地域特性を分析し練り上げた発想があります。
このエリアは、祇園・京都大学・市役所・ロームシアターや京セラ美術館など、特徴的なスポットに囲まれながらも、20代の学生と70代以上のシニア層が多く暮らす、日常感あふれた住宅地です。
一方で、ファミリー層や働く世代は、減少傾向にあるのだとか。
だからこそ働く世代をまちに呼び込み関係人口を増やすことで、周辺地域のハブスポットとしての役割を担い、より活気あるまちへとつなげていきたい。
そんな思いから、「岡崎エリアにオフィスをつくる」という発想に至ったのだそうです。
そこで2waが提案するのは、「暮らすように働く」というライフスタイル。
「暮らすまち」と「働くまち」を切り分けるのではなく、同じまちの中で両立させる。
それによって、ワーカーは生活を大切にしつつも、健康・モチベーション・インスピレーションなど、さまざまな側面から仕事のパフォーマンスを高めることができる、ウェルネスな働き方につながります。
一方企業にとっても、人口減少が進む現代において、優秀な人材の流出を抑えるための取り組みとなるメリットがあります。
2waには、こうした「暮らすように働く」を実現し、仕事のパフォーマンスを高めるデザインが、随所に見られました。
インスピレーションをもたらすオフィスフロア

2waのオフィスフロアは、まるで長屋のように各区画が並んでいます。
それぞれの入り口のそばには、気軽に腰掛けて使える小上がりのようなスペースが。
ここで気兼ねなく電話しても良し。
ちょっとデスクから気分を変えて、ブレストしても良し。
まわりの区画の人たちと、ここで挨拶したり話したり....
そんなゆるやかなつながりをきっかけに、インスピレーションが得られる場所にも思えます。
専有部と共有部を繋ぐ、グラデーションのようなスペースです。

シェアキッチンも備えており、日々のランチの幅が広がります。
打ち上げやちょっとしたレセプションパーティーにも活用できそう。
ふとした小休憩に、ここでコーヒーを淹れながら交わす会話も、新しい閃きをもたらしてくれるかも。
専有部の間取りも個性豊かです。

オフィスには珍しい出窓ベンチがある部屋や...

外向きの窓がないかわりに、共用部を見渡せるベランダがある部屋も!
ここにガーデンテーブルとチェアを置いて仕事をしてみるのも面白そう。
このように2waのオフィスフロアは、デスク以外にも自由に過ごせる居場所が豊富に設けられています。
働く場所を変えたり、人とコミュニケーションをとったり、ふと違う景色を眺めたり。
様々な要素によって脳が刺激され、自然とインスピレーションが生まれるようにデザインされているそうです。
ゆるやかにつながる大階段

オフィスフロアである3,4階はもちろん、2階の商業フロアまでをも横断し繋ぐのが、この大階段です。
ここは腰掛けて過ごしてOKという珍しいつくりで、壁側のステップは座りやすい幅と高さに設計されています。
驚くことに、冬場は床暖房で座面が温かくなるそうです。
3,4階部分のステップはオフィス利用者専用ですが、2階部分は、商業フロアのお客さんとオフィスフロアのワーカーが行き交う、開かれた空間となります。
ドリンク片手にひと息つくお客さんと、気分を変えて作業がしたいオフィスワーカーが同じ場所で過ごす...そんな珍しい光景が、日常になるかもしれません。
「お兄ちゃん、いつもここにいるけど何してる人なん?」
「上の階のオフィスで働いてるんですよ~!」
そんな会話が生まれることも、きっとあるでしょう。
まちの縁側を目指して
2waが提案したいのは、まさにそういった過ごし方。
つながりを強制するわけでも断絶するわけでもなく、さまざまな立場の人がゆるやかにつながる"縁側"のような場所です。
そのつながりこそが、ちょっとした気持ちの切り替えやアイデアのきっかけとなり、働く人々のパフォーマンス向上につながる。
一般客の方々も、そんなゆるやかなつながりを求めてぶらりと2waに立ち寄り、過ごす。
そういったビジョンで計画されたのが2waなのです。
商業フロアの各テナントは、これから順次オープン予定。
様々なお店が開かれ、一般のお客さんがより増えた2waは、地域にどんな活気を運んでくるのでしょうか。
これからの発展が楽しみです!
最後に、2waのコンセプトを象徴するような庭と、東山連峰をモチーフにした屋根をご紹介。

地域と来訪者をつなぎ、「立体的な庭園の中にある街」をイメージしてデザインされているのだとか!
2waでは商業フロア・オフィスフロア共にテナント募集中です。
お問い合わせは、公式ホームページをご覧ください。


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