大正ロマンプロジェクトトップへ戻る

大正ロマン弐号 紅い階段の家

大正ロマン弐号 紅い階段の家

<十一.役者の登場>

大正ロマン弐号 紅い階段の家 壱号の応接室

木工事が順調に進む中、ついに役者がその姿を現わした階段。ステンドグラス、壁の腰板、床板、タイル、そして「紅い階段」。これらひとつひとつが大正ロマンの家を構成する大切な要素なのである。 階段は玄関ホールから部屋に一歩入ると向き合う位置にある。ちょうど浴室の上を昇ることになり、浴室側の天井にも少し階段型がでていた。階段そのものの幅は90センチ弱、傾斜も緩やかで昇りやすく設計されている。最後の仕上げは「紅」で彩られるのだが、手触りや装飾も主役級のこだわりを見せている。手をかける「手すり」は丸みを帯び、手すりを支える「手すり子」には直線で刻まれた装飾、階段側面の壁は腰板を貼って。上の写真は塗装前の木材の色であるが、踏み面の紅いカーペットに合わせて、手すり・手すり子・壁の腰板、ともに少し赤みがかったこげ茶をのせることになった。これら3つの要素に紅いカーペットで化粧することで、役者は”花形”になる。  暮らす人とともに年をとり、手すりがツヤツヤな飴色になるまで住んでもらいたい、と願いを込めて。