京町家再生プロジェクト 大正ロマン壱号

ロマン新聞

第一回大正ロマン企画会議開催

 年の瀬も迫る昨年12月、朝から雪が降り続く日、八清(京都市下京区)の会議室にてメンバーによる第一回の企画会議が行われた。

 「大正とはどのような時代だったのか?」
実は、大正時代を生きた経験のない人間ばかりが集まっているため、まずは大正時代にどのような歴史文化があり、またどのような住宅が流行したのか時代考証しなければならず、手始めに、歴史の流れから再確認が行われた。キーワードに挙がったのは、「大正デモクラシー」「女性運動」「大衆文化」そして「西洋建築」。明治から広がった西洋文化が一般庶民の文化にも浸透するのが大正時代。大正デモクラシーの風潮が広まり、人々は解放感に溢れ、自由な発想を持ち、建築のみならず様々な分野において文化が花開いた時代でもあったのだ。

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 西洋建築の流行は明治初期から始まっていたが、実は上流階級のものであった。しかし、西洋に対する憧れは次第に庶民へも浸透していく。明治期に建てられた官公庁舎や邸宅などは西洋建築を模倣したものであったが、大正期、徐々に広まったのは和洋折衷の住宅。従来の和風建築の中に、テーブルで椅子に腰かける洋式の応接室と、床の間の据えられた座敷が共存するもの。いわゆる「文化住宅」の先駆けなのだ。そういった意味で時代の最先端であった応接室というものは、ステイタスの表れであったとも言える。我々はこの流れを、明治後期から大正期を経て昭和初期まで続く、一連のものとして捉え、プランニングに取り入れることにした。


 この日、デザイナー江見によるプレゼンテーションも行われた。練りに練ったプランを解説するデザイナー江見の言葉にも力が入り、メンバーも時を忘れ熱心に聞き入っていた。

この日の提案された、ディティールの候補は以下の通り。

ロマン新聞三月三日号 写真

  • 1.外観の素材/タイル、レンガ、鎧貼り
  • 2.窓/両開き、アーチ型、モール加工
  • 3.応接室/板貼りの床、格天井、腰壁
  • 4.建具/アンティークの古建具、ガラス入り、座敷の襖

 

写真はこの日披露された、1階部の模型。初期段階の模型なのでもちろん完成イメージとは異なりこれから意見交換を重ね、イメージを完成させていくことになる。今後のプランニングに期待したい。

ロマン新聞三月三日号
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