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「京都の町家をリフォームして住みたい」という夢を持ちつつ、なかなか実現できないまま10年以上の時間が過ぎた私。

物価上昇と京都の世界的な人気で町家の価格上昇に追いつけない状況です。

それでも日々、物件検索をしては妄想に駆られています。

そんな私が最近気になっていることがあります。

それは京都の旧いビルがなかなか魅力的で、いろいろな使い道と可能性がありそうということに気付いたからです。

今回、八清さんで以前働いていた本門さんが古いビルを購入して、ピラティススタジオを開いたと聞き、旧いビル活用のヒントとアドバイスを聞きに行きました。

八清の先輩が購入したビルを受け継ぐ

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本門さんのピラティススタジオは北区紫野の大きな通りから一歩入った場所にありました。

天井の高いのびやかな空間はビルならではの魅力でしょう。

まずこのビルに出会った経緯を教えてもらいました。

「八清で働いていたので、当然いつかは自分の物件を購入したいと思っていました。

最初は特にビルにフォーカスしていたわけではありません。

実はオープンハウスをしていたときに、たまたまお客さまが途切れた時間があり、八清のウェブページで物件を見ていたら、先輩がこのビルを売ろうとしていることに気付きました。

翌日さっそく見に行こうとワクワクしながら連絡を取りました」。

いきなりビルを買うというのはハードルが高そうですが、どうやってそのハードルを越えたのでしょうか。

「先輩が持っていたビルという安心感が大きいですね。

先輩は2階3階を住宅に使用し、1階をカフェに貸していました。

事業用部分が50%以内なら住宅ローンも組めるし、収益性も高いと聞いたので、私でも買えると自信を持ちました。」

いろいろな使い方ができるうえに改装も容易なのがビル

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<2011年同ビル解体時の様子>

「私も建築士の資格をも持っているので、実はビルのほうが改装するときの予算が立てやすいことを知っていました。

町家は壁を壊したり、床を抜いたりしないと状況が分からないことがあります。

長屋になっていることが多いので隣家の影響も考える必要があります。

ビルは商業地にあることが多いので、店舗や事務所と使い道も幅広く、工事もやりやすいと感じていました。」

先輩からバトンを受け取り、スムーズに購入することができました。

ビルの1階はカフェに5年の定期借家で貸していたので、満期がくるまでどう使うかじっくり考える時間があったそうです。

何かをしたい、独立したい、という夢を実現

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「八清で働いていて仕事は充実していましたが、いつかは自分で何かをしたい、独立したいと思っていました。

そのためにも、このビルの1階をどう活用するか考えるだけでワクワクしました。」

具体的に何がしたいか最初は決まってはいなかったのですが、第一子を出産後、体調を戻すために参加したグループピラティスが1つのきっかけになったそうです。

「人生初めての腰痛になりました。

立っても座っても腰が痛いし、骨盤矯正ベルトを買って対処していましたが、なかなか改善しませんでした。

そんなときに某インストラクターの方が発信されている『ピラティスがいい』という情報を見つけ、ピラティスの存在を知りました。

そこで近所のスタジオに行ってみたら、たった1回のレッスンで腰の痛みがほぼ無くなったのに驚きました。」

実は私もピラティスを週に2回位続けていて、その効果に満足しています。

習っていた状態からどうしてインストラクターになり、スタジオオープンになったのかも教えてもらいました。

「何度か受けていくうちに『私もピラティスを勉強してみたい』と思うようになり、勉強できるところを調べ始めたら、ピラティスを知るきっかけになったインストラクターの方が、大阪のピラティススタジオで勉強をしたということを知り、問い合わせました。」

インストラクターコースを受け、スタジオをオープンすることに決めたそうです。

「このビルを買ったこともスタジオを経営するいい機会になったと思います。

ふつうの住宅を購入していたら、教えるためのスペースを確保するのが難しかったと思います。

京都の中心からは少し離れていますが、近所の方にたくさん通ってもらっています。」

八清ネットワークを活用して物件の魅力を広げる

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スタジオは天井部分を抜いて約2800mmの広々した空間です。

木をたくさん使った清々しいインテリアは、やはり八清の元スタッフだった同僚が担当してくれたそうです。

「彼も八清を卒業して独立していますが、近所に住んでいて、いろいろ助けてもらいました。

北欧風のスッキリしたデザインは彼の特徴ですね。」

のびやかな空間はピラティススタジオとしても効果的です。

リフォーマーを設置しても広々とした雰囲気があります。

またエントランスのかわいいイラストロゴも八清スタッフの作品だそうです。

「八清ネットワークで、このスタジオもオープンできたと思っています。

実は八清の従業員など関係者がけっこう紫野周辺に住んでいるんですよ。

特にバス便が中心の京都では珍しく、ここは駅にも歩けるので便利です。

ビルは比較的交通の利便性が高い場所にあるのもメリットだと思います。」

ピラティスと同時に不動産の仕事も続けていきたい

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はじめは不動産の仕事を続けるつもりはなく、ピラティスだけでやっていくつもりだったという本門さん。

「八清では海外の方を対象とした物件売買の担当をしていました。

不動産の仕事を辞めるということをお伝えしたら、ありがたいことに多くの海外顧客の方から辞めないでと言われることが多く、両方やることになりました。」

ピラティスだけでなく、不動産コンサルティングの仕事も続けていくなら、ますますこのビルが役に立つのではないでしょうか。

「ビルのオーナー」というのは少しハードルが高そうに思えますが、住宅としてだけではなく、ビジネスオーナーとしての可能性も広がるようです。

旧いビルをリノベーションして自分の好きな空間を作るというのは、なんだかワクワクします。

これからは京町家だけではなく、旧くて魅力のあるビルも併せて探さなくてはと思いました。

Fine Tune Pilates

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八清ビル部

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