子供を連れて京都へ

メディアデザイン部のスティーブンといいます。

八清の英語サイトの管理人をしながら、海外の集客・マーケティング活動に日々頑張っています。

台湾出身で、学生時代はカナダで過ごしましたが、1年ほど京都で留学したことがあります。

卒業後、東京で4年半ほど働いたあと、縁があり、去年の秋に八清に転職しました。

今は日本人の奥さんと共働きで、もうすぐ2才になる娘と暮らしています。

 

rokakudo.jpg(今年春の六角堂)

小さい子供を持ちながら転職に踏み切ったときは、心配ごとだらけでしたが、奥さんの了解を得た上の決断でした。

奥さんとは新しい仕事の内容以外にも、やはり子育て環境について、たくさん話し合いました。

そもそも、外国人から見た日本の子育て事情

我が家は、奥さんがほとんどの家事と育児をこなしているので、あまり子育てについて語ると怒られそうですが、パパ兼外国人目線で、自分が感じた日本の子育て事情を紹介しようと思います。

京都について話す前に、まず日本と海外の子育て環境を 比べるとどうなのかお話ししたいと思います。

パパも一年の育休!?


日本で生活すると、男性が一年も育児休暇を取るなんて、普通考えられないでしょうね。

私は幸い、子供が生まれてから3週間ほど育休で休むことが出来ましたが、それにしても珍しい ことでしょう。

ただ、実は法律上、日本の男性はOECD(経済協力開発機構)の36ヶ国の中、二番目に長く育休(最大52週)をもらえるらしいです。

驚いたことに、一位が韓国の52.6週で、アメリカはその正反対、法律上育児休暇が1日も与えられていません。

実際の取得率で見ると、日本は2017年度厚生労働省の調査により5.14%まで上がりましたが、まだまだ伸びしろがあるので、これから少しずつ上がることを期待したいと思います。

 

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引用元:OECD Family database

日経新聞記事(7月27日):「(男性の育休取得5.14%、過去最高 17年度)」

 

保育園料、実は安い。 

日本でしか子育てを経験したことがないので、最初は「保育園料が一ヵ月5万円もかかるの?」と高く感じましたが (※世帯所得をもとに計算される住民税によります)、海外の友人の話を聞くと、日本の保育園はコスト面では素晴らしいなと思いました。

国によって違いますが、アメリカとイギリスの場合、月の保育園料は大抵10万円以上はかかります。ベビーシッターになると、コストはさらに上がります。

もちろん、東京等の大都市では、そもそも保育園に入れない待機児童の問題がありますが、都心部以外で過ごせるなら、日本で小さい子供を育てるメリットはたくさんあると感じました。

それもあって、例えカナダに戻るとしても、子供が小学校を卒業してからにしようと、こっそりと考えています(笑)

では、京都の子育て環境は?

京都市内は学生と観光客に優しい町だとよく言われますが、「実際に家族と生活する環境としてはどうなの?」と自分もいろいろ疑問を持っていました。

去年の秋に千葉から引っ越してきてから、わかったことがいくつかあります。

 

観光客と民泊が多すぎて、子供にはよくない?

自分の家の周りに民泊に泊まっている観光客が多いと、家族や子供の安全面で多少心配しますね。

特に、夜になってもわいわい騒がれたりして、眠れない日が続いたら誰でも困るでしょう。

近年京都を訪れる観光客がかなり増えていて、住宅地がうるさくなったり、バスに乗れなくなったり等、住民たちの生活に支障が出ることも増えてきました。

京都市内の各行政区によって違うので一概には言えませんが、特に観光名所が多い東山区では影響が大きいと思います。

民泊の近隣への影響を考慮する京都市は、今年6月から独自のルールが実行されて、住宅専用地域では一定の期間しか民泊の運営ができなかったり、半径800メートルの範囲に管理者らを駐在させる「駆け付け要件」を設定したり、とにかく厳しい条例を制定しました。(あまりに厳しいので、批判も少なくありませんが...)

家族の安心のために、自分で出来ることとしては、引っ越す前にしっかり物件の周辺について調査することも大事です。AirBnB等の民泊サイトを通じて調査するのも一つの手だと思います。

私の場合は、二条エリアのマンションに住んでいますが(残念ながらまだ町家生活ができていません...)、民泊利用者を見かけることはなく、快適に過ごすことができています。

ただ、京都市内のマンションや町内では、「民泊及びそのほか宿泊料を受けて人を宿泊させる事業での使用は禁止されています。」というような張り紙よく見かけるので、むしろ自分の親が我が家に滞在したときに、「民泊だ!」と思われるのではないかと少し心配しました(笑)

 

京都では子供を連れて遊ぶ場所が少ない?

京都市は山に囲まれ、鴨川もあり、自然にあふれるイメージがありますが、公園はかなり少ない、あるいは小さいと気づきました。気になって調べてみたら、京都の一人当たりの公園面積は,他の政令指定都市と比べて、実は二番目に低いそうです。

京都市 都市動向(第2章)

 
ただ実際には、公園以外に子供が喜ぶ施設はたくさんあります。下京区にある京都水族館・梅小路公園・京都鉄道博物館は全て同じ敷地内にあって移動しやすく、家族の休日お出かけスポットとして、かなり人気があります。

雨や猛暑日でも、水族館と博物館は屋内なので親も子供も心配なく楽しめるでしょう。

 

梅小路公園.jpg
(梅小路公園)

 

 
その他にも、鴨川の緑地(特に丸太町通から北大路通までの辺りに芝生が多い)は、子供と共にリフレッシュできる貴重な場所です。

鴨川.jpg

(鴨川)

 

 
各区にある商店街も、子供に優しいおじいちゃん、おばあちゃんが多く、いつもより落ち着いて、楽しく子供と一緒に買い物することができます。

 

参考:ウェブタウン京都

 

 

お寺や神社では定期的に青空市も行われています。

toji_s.jpg(毎月21日に行われる東寺の骨董市)

 

京都市内は特に、近隣関係が大変じゃないですか?

良くも悪くも、京都市内は近所との付き合いを大事にしていると、よく言われています。

外から引っ越してきた人が、よそ者として扱われて、うまくコミュニティーに入れないイメージもありますが、そういったことは実際はごく僅かだと私は思います。

まず、マンションと一戸建てで、近隣の方との距離感や接し方も変わってきます。

マンションだと、京都市外から移住してきた家族が多く、同じ移住者同士として交流するチャンスがたくさんあって、程よい距離感を持ちながら、おそらく今までと変わらない生活ができるでしょう。

一方、一戸建ての場合、町内会に関わることが多く、地域ならではの年中行事を通じて、一番京都らしい暮らしができると私は思っています。

特に子供たちにとっては、毎年行われる地蔵盆のようなイベントで、近所の方々と触れ合うことが、一生の思い出になると思います。

私も将来、町家に住むことを視野に入れており、実現出来れば家族と共に町内会の活動にも参加しようと考えています。 

 

地蔵盆1.jpg
(八清社員が参加した地蔵盆の様子)

 

結局、子供にとって一番のメリットは何?

仏光寺桜.jpg
(会社の近くにある仏光寺の桜)

 

子供を育てるには、行政の支援、施設の充実度、地域の安全性等、考慮しないといけない要素がまだまだたくさんあります。

ただ、私が「娘を京都で育てたい!」という一番の理由は、お寺や神社等の世界遺産を始め、葵祭や祇園祭 、町家、西陣織等、昔から続いてきた素晴らしい日本の伝統と文化を大事にし、ずっと残していく意識を、娘にもしっかり感じてほしいからです。

それによって、物の歴史を知り、物を大事にするような娘になってくれたらと思っています。

自分の子育てと京都生活もまだまだこれからですが、少しでもご参考になれれば嬉しいです。
町家住まいが出来たら、またご報告できればと思います。