今回の出張研修では、近場の素敵なところを探ろうと滋賀県を選びました。
滋賀県といえば「琵琶湖」ですが、今回は琵琶湖に面していない近江八幡市の八幡山城の城下町を訪問しました。
町家宿に宿泊体験
八幡山城は豊臣秀次が築城した山城で、現在は残っているのは石垣だけですが、城下町は八幡堀が時代劇のロケ地としてよく使われるほど昔の雰囲気がよく残っています。
昭和初期までは普通に流通路として使われていたそうですが、戦後陸上交通の発展に伴い廃れてゆき、埋め立ての予定もあったそうですが、地元の方々の活動により現在の美しいお堀によみがえったそうです。
もともと好きな場所で何度か訪れているのですが、今回の研修のメインとしては、町家を改装したお宿の宿泊体験です。
仕事で町家の宿泊施設に入ることはたくさんあるのですが、実際に町家・古民家を改装したお宿に泊まったことがなかったので、今回近江八幡の八丁堀沿いにある「旅籠 八...」さんに宿泊してきました。
元々は畳屋さんで1829年に建てられた190年の歴史のある建物です。
1棟貸しで2組まで泊まることができます。
今回、八幡堀に面した離れ「木の間」に宿泊しました。
駐車場に到着してお二人のスタッフにお迎えいただきました。
お堀沿いを歩いて、お堀に面した門に案内されました。
昔はここから畳を運んでいたそうです。
そこから敷地内に入り宿泊棟に案内され、お堀が眺められるお部屋でウェルカムドリンクとお菓子をいただきながら受付手続きをしました。
窓からは紅葉が見えるお部屋です。
まだ青紅葉でしたが、少し肌寒い季節に廊下との障子を開け放しておきたくなるほど綺麗でした。
窓の近くに桜もあるため、春もとても綺麗だとスタッフの方から教えていただきました。
寝室からはお堀とお庭の両方の景色が楽しめます。
お部屋のお堀側は窓ガラスがあるのですが、お庭側は障子のみという作りです。
寝室の隣に浴室があり、浴槽は醤油樽を手がける職人によって作られた高野槙の桶風呂となっています。
浴槽のそばの障子をひくとお庭が眺められます。
こちらも窓ガラスがなく障子一枚で仕切られていました。
お部屋は内装デザインだけでなく、家電や家具、お皿等の備品一つ一つこだわりが感じられました。
お部屋は1階に3部屋と2階に1部屋。
2階のお部屋は朝食のみ利用可能と説明され翌朝の朝食を楽しみにしながら夕食まで時間があるのでひとまず散策をしました。
夕方、お宿に戻ってくる頃にはお宿がライトアップされていました。
この八幡堀に来るときは周辺のお店も夕方には閉まってしまうので明るい時間帯のみ滞在する方がほとんどだと思います。
夜のお堀の景色はお宿に泊まっているから味わえるものだと思いました。
夕食は改装された蔵でコース料理をいただき、松茸の土瓶蒸しや鴨の燻製、目の前で藁焼きしていただいた近江牛などどれもとても美味しく、こだわりが感じられる料理でした。
夕食後はお風呂に入ってゆっくり過ごしました。
お庭を眺めながら入っていたら時間を忘れるほど癒されました。
翌朝は少しお堀を散歩しました。
まだ観光に訪れる人がいない時間帯なのでお堀の風景を爽やかな天気のなか独り占めしたあと、楽しみにしていた朝食をいただきに2階にあがりました。
2階ももみじが窓一面に見え、八幡山も良く見えるお部屋でした。
素晴らしい景色の中、とても丁寧でおいしい朝食をいただきました。
おかずも美味しいのですが、ごはんが美味しく、普段しないおかわりをしてしまうほどで、おひつに残ってしまったご飯はおにぎりにしていただきました。
チェックアウト時にアメニティ等が購入できるギャラリーに案内していただきました。
アメニティはどれもこだわりが感じられ、特にルームウェアは写真を撮り忘れてしまったのですが肌触りよく、デザインも素敵でした。
ギャラリーの隣にある現在お休み中のサウナ施設を見学させていただきました。
本当はこのサウナも体験したかったのですが、2月末までメンテナンスのためお休みとなっていました。
薪で温めるので時間がかかるため、自由に入れるものではなくサウナを使う場合は予約が必要になります。


建物の内装、備品全てにおいてこだわりを感じられる素敵なお宿でした。
お宿のオーナーさんは、ブライダル関係のお仕事をされている方で建物を購入されて、京都でお仕事をされている大工の弟さんと作り上げたお宿とお伺いしました。
ご兄弟だからお兄さんの意図を汲みとり、弟さんが形にしてこのような素敵なお宿ができたのではないかと思いました。
周辺を散策
お宿を後にして、次にロープウェイで八幡山に登り山頂の琵琶湖の景色を楽しみ瑞龍寺をお参りしました。
瑞龍寺はもともと上京区に豊臣秀次の追善のために建立された寺院です。
お参りしたあと社務所の方に進められてたまたま入った有料エリアで弊社でもお世話になったことがある美術家のmaisさんの襖絵が飾られていて驚きました。
モダンでありつつもお寺の雰囲気にあったすてきな絵でした。
ロープウェイで下りたあとはたねやで一服しました。
たねやはバウムクーヘンで有名なクラブハリエの和菓子のお店です。
もともと先々代が種屋さんをしていたそうですが、終戦後砂糖が流通し、庶民も甘いものが楽しめるようになることを見越して和菓子屋に転向したそうです、
和菓子を売ってるのにお客さんにはずっと「たねや」と呼ばれておりそのまま屋号にしたそうです。
ここではつぶら餅というたこ焼きみたいなあんこが包まれたお餅が有名ですが、ちょっと寒かったので栗しるこを注文。


これがとっても美味しかったです。
普通のしるこに栗がはいっているかと思ったら栗ぺ―ストの汁にお餅が入っていました。
まるで飲むモンブランです。
秋に八幡掘りに来たら絶対食べてほしいです。
今回お宿体験で近江八幡市に来ましたが、歩けばヴォーリズ建築にあたるといった具合で気になる建物がたくさんありました。
少し来ないうちに「まちや倶楽部」という歴史的町並みと町家等の保全と活用を通じて地域を盛り上げようとするプロジェクトが発足していたり、初めてみる建物があったりと変化もありました。
何度か来ていて知っている町なので1日で良いかと思ったのですが、興味をそそられる建物がたくさんあり、時間が足りませんでした。
また次回は町の建築に焦点を当てて訪問したいと思いました。
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八清社員が日本各地へ興味が赴くままでかけ、見て、聞いて、普段の業務では得られない知見を広めてきましたのでレポートします。
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