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今回の出張研修では、当社と親しくしていただいている不動産業者を訪ねることを目的に、鎌倉、軽井沢に行ってきました。

どちらも京都でお会いすることはありましたが、地元での事業活動を直接見聞きすることで、多くの新しい発見がありました。

まずは鎌倉のENJOY WORKSさんへ

ENJOY WORKSさんは京都の五條楽園にある元遊郭建築で、コワーキングのある宿「UNKNOWN KYOTO」(https://unknown.kyoto/)を共同運営させてもらっている会社です。

毎月のようにリモート会議などでお会いしており、知り合ってから10年近くは経過していると思いますが、私が訪ねるのは初めてです。


(写真:ENJOY WORKS)

今回は今進めておられる事業の中で、鎌倉からほど近い横須賀で「天空の廃墟」と称される旧市営田浦月見台住宅を見学させていただきました。

JR横須賀線の田浦駅、トンネルとトンネルの間に駅があり、一方は海、もう一方は谷に這うように住宅が点在しているようなところです。

車両の一部はトンネルにかかって停車するため、扉が開かない車両もあり、駅だけをみると秘境のようなところでした。

駅から谷に沿って山を登ること10分ほど、旧市営田浦月見台住宅は周辺にコンビニはおろか、店が一軒もない「天空の廃墟」。

標高約50m、高台にあって空が広がる"天空"感のある場所で、住人がいない昭和の古い平屋長屋22棟(58戸)が整然と並ぶ街でした。

1960(昭和35)年に市が設置した市営住宅でしたが建物の老朽化により、2022年に最後の住人が退去して、全戸空き家の状態ですが、廃墟となった市営住宅をリノベーションし、職住一体型の新しい街づくりを目指すイベントの真最中にお邪魔させていただくことができました。

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横須賀市とタッグを組みリノベーションし、職住一体型の街をつくるということで、現在は現地を訪れても見られるのはエリアの自然環境と改修前の手の入っていない状態の住戸だけ。

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入居は2025年夏になる予定にも関わらず、昨年7月と9月に行われたイベントにはそれぞれ120人と170人が主に都内近郊から参加されたそうです。

11月初旬までに賃貸予定の52戸中45戸以上の仮入居申し込みが入っているそうです。

レザークラフト、陶芸、菓子工房、カフェ、古着店、バイクのメンテナンス、古物商、フードトラック、整体、織物、金継ぎ、鮮魚店、私設図書館、子どもの居場所など、入居を希望する人のやりたい事は多く、完成後再度訪問したらどんな街に変貌しているか楽しみの一言に尽きます。

現地での自然環境や建物の状態を直接見ることで、アイデア次第で地域の価値を引き出し人気の街にする過程を見ることができ、今回のイベントも多くの出店者、見学者が来場しており活気のあるものでした。

ENJOY WORKS

Webページ

旧市営田浦月見台住宅プロジェクトページ

Webページ

次は軽井沢へ

もう一つの今回の目的は軽井沢のFun Baseさん(2025年3月14日にワタベアンドカンパニーから社名を変更)を訪ねること。

私は初めての軽井沢!

まずは軽井沢の別荘地見学&別荘での宿泊体験。

別荘エリアとしては、旧軽井沢、南ヶ丘・南原、追分、中軽井沢北、中軽井沢南、南軽井沢の6つの場所があるようです。

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不動産業者としては相場が気になりますが、最小単位は300坪、エリアにもよりますが1億円以上はあたりまえだそうです。

避暑地としての軽井沢のスタートは1886年(明治19年)、カナダ生まれの宣教師が訪れ、その美しい清澄な自然と気候に感嘆し、家族、友人たちにそのすばらしさを推奨して、避暑に訪れたのが最初だと言われているようです。

明治21年には旧軽井沢の大塚山に簡素な別荘を建て、内外の知名人に軽井沢が保健と勉学の適地として紹介したため、宣教師の友人たちの別荘が年を追って建ち始めました。

そして明治26年には初めての日本人所有の別荘も建てられていったとのことで、徐々に日本人の利用者が増えていったようです。

そのため商店が増え、ゴルフやテニス、乗馬などスポーツ施設も増えることで、軽井沢は国内での別荘地としての地位を確立していきます。

別荘地として発展を遂げたのは軽井沢の自然を残しつつ、道路の整備や街並みづくりなどが行われ、高い建物が建てられないようにしているなど景観が保護されていることが理由の1つだと思います。

別荘地として選ばれ、夏だけでなく冬も人が訪れるようなスキー場やホテルが充実してきたのは、やはり東京からの新幹線や車でのアクセスの良さがあり、東京資本が大きく働いているのではないかと考えます。

また、町内に点在するレストランやカフェ、ショッピング、スポーツなど多くの楽しみがあるのも理由です。

軽井沢が別荘地として選ばれ、スキー場やホテルも充実していったようです。

やはり東京からの新幹線や車でのアクセスの良さは、東京資本が大きく働いていると思いました。

到着してすぐに、あちこちに点在する別荘群を見て回りましたが、広葉樹の林の中にある広い敷地に個性豊かな別荘が点在しており、建築好きにはたまらない場所です。

別荘地の中を通ると美しい木々の合間に目にする象徴的な風景「苔」と「低い石積み」。

美しい風景にやられました。

また、別荘ではありませんが軽井沢といえば「星野リゾート 星のや軽井沢」

さすがに宿泊はできませんでしたが、サウナ好きの私としては星野リゾートが運営する、「星野温泉トンボの湯」と「ハルニレテラス」は外せず満喫してきました。

写真をお見せできないのは残念ですが、谷間の地形をうまく利用し、両施設とも建物のデザイン、施設の内容ともに素晴らしいとしか言いようがありませんでした。

星野温泉トンボの湯

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ハルニレテラス

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この日は知り合いの別荘に宿泊体験をさせていただくことになっており、別荘族に欠かせないといわれる軽井沢のスーパーマーケット「ツルヤ」にて食材を調達し宿泊先別荘へ。

「ツルヤ」は軽井沢にとって欠かせない存在というぐらいの、高級食材、ワイン、ジャム、パン、野菜など圧倒的な種類数の食材で無いものはないと思うぐらい食の宝庫でした。

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宿泊した別荘にもプライベートサウナがあり"ととのい三昧"。

購入した食材でBBQとビール、暖炉で焚火を見ながら堪能させていただきました。

翌日は10年ほど前から一度訪問してみたかったFun Baseさん。

今回やっと訪問することができました。

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軽井沢の別荘管理、家事代行をされており、別荘管理戸数は日本一ではないかと思います。

Fun Baseさんがあるから軽井沢に建てたい、持ちたいというほどの会社です。

年間を通じ草刈りや落ち葉清掃などの庭の手入れ、定期室内清掃、入居前後の清掃、冬場には薪の補充や雪かき、多彩なケータリングサービスまでどんな要望にも応えられるようになっています。

本社にお邪魔するとすぐに別棟に案内していただきました。

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別棟は隠れ家的な雰囲気で、ここで会議や食事会、ちょっとしたパーティもでき、庭には焚火台などVIP感あふれる施設になっており、法人、個人問わずお客様をお迎えしているそうです。

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もちろん厨房も備わっており、大きなワイン保存庫もあり設備も充実している施設でした。

今回は特別に山手にある別荘と平地にある別荘を見学させていただきました。

両方とも写真映えのする物件でしたが掲載することはできないのが残念です。

どちらも広い庭、外観、室内とも特別感のある空間になっておりステータス感に満ちあふれておりました。

別荘へ行く道中もいろんなお話を伺うことができました。

中でも「不動産会社の世界では、管理というのは今まで一番下層領域に位置付けされてきましたが、ここでは管理があって初めて不動産を売買したり、賃貸にしたりという構造になっており、高級別荘を持つようなお客様が相手だと管理なくして不動産業は成り立たないようになっています」というお話が印象的で業界の未来を見ているような気持ちになりました。

京都と軽井沢では人口、産業こそ違いますが、京都も観光客が多くなり国内外から別荘、別宅としてのニーズも多くなってきていますので、多様なサービスが必要になり我々も見習うべきことが多い訪問になりました。

今回の出張研修を通じて、地域の特色を活かした事業の展開や、アイデア次第で生まれる新たな価値創造の可能性を強く感じました。

また、他地域での取り組みを学びつつ、それを京都での活動にどう生かせるかを考える良い機会となりました。

今後も引き続き、このような交流や見学を通じて、当社の事業をより発展させていきたいと考えています。

Fun Base

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八清社員が日本各地へ興味が赴くままでかけ、見て、聞いて、普段の業務では得られない知見を広めてきましたのでレポートします。

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