広報・クリエイティブディレクターをしています、長谷川です。
京都で不動産を生業にするにはやはり"京都ブランド"を意識することは不可欠です。
私はWebページや印刷物など様々な制作物に携わっていますが、デザインする上で"京都"を意識する場面は多々あります。
たまたま、「日経クロストレンド」に掲載されていた、デザインにおけるローカライゼーションの記事を読み、デザインの地域性に興味を持ちました。
日本の中でその特徴が顕著だと思ったのが沖縄です。
今回の出張研修ではローカルデザイン探しと、離島の島時間体験をしてまいりました。
久米島のローカライゼーション
久米島は沖縄県で5番目に大きい島です。
沖縄の離島が大好きでいろいろな島を訪れてきましたが、これまで一度も訪れたことがなかったので、長年行きたいと思っていました。
沖縄県の島の大きさランキングは1位 沖縄本島、2位 西表島、3位 石垣島、 4位 宮古島、だそうです。
久米島の知っていることと言えば、久米仙(泡盛)とおばけ坂(車が坂道を登っていくように見える不思議スポット)しかありませんでしたが、今回様々なことを知ることができました。
まず、はじめに感じたのが、観光地感が薄いということ。
石垣島や宮古島は"ザ観光地"という印象が強く、もちろんそれはそれで楽しいのですが、久米島は走っているレンタカーが少なく、地元の子どもが路線バスに乗車してきたり、飲食店も地元の人が多かったりと、島の人々の生活感を近くに感じることができました。
海に入るにはまだ寒く、長袖のTシャツくらいがちょうどよい気候で、観光のシーズンオフの時期に訪れたというのもあったかもしれませんが、ゆったり流れるオフの時間を感じられたのはとても良かったです。
離島に来るとレンタサイクルで探検するのが好きなので、今回もホテルで自転車を借りました。
電動じゃない人力の自転車。。
まずは海沿いにカフェがあるみたいなので、そこを目指しました。
途中見つけた、フクギ並木。
車と違ってこういったところを見つけられるのが自転車のいいところです。
真泊港の海。
写真を撮ったり、寄り道しながら、目指していたカフェに到着しました。
海洋深層水...?
中に入って、アイスコーヒーを注文し、席に置かれていた案内パンフレットを見て初めて、ここが沖縄県海洋深層水研究所併設のカフェであることを知りました。
日本には北海道から沖縄まで16か所、海洋深層水の取水地域があるそうですが、久米島は日本で最大の1日13,000tくみ上げているそうです。
久米島は海洋深層水研究の日本におけるフロンティアとして知られ、温度差発電や農業、水産業へ活用し、その取り組みが注目されています。
久米島では海ぶどうや車エビの養殖に利用されています。
特に車エビは海洋深層水を利用した種苗産業技術が確立されており、久米島の一大産業となっています。
夜、居酒屋さんでエビフライをいただきましたが身が締まっていてとてもおいしかったです。
このカフェでは海洋深層水をつかったメニューを提供されていますが、私が注文したアイスコーヒーは関係のないメニューでした。。
ここでは藻から採取し海洋深層水をつかってつくる「久米島ブルー」という天然青色素も生産されています。
「久米島ブルー」をつかったクラフトビールが販売されていたので、買ってみました。
ホテルに持ち帰り、グラスに注いでみたら、びっくりするくらいの青!
飲むと味は普通においしいクラフトビールでした。
久米島はこういった観光産業だけでない地域産業の基盤がしっかりあるということを学びました。
カフェを出て、北に向かおうと自転車をこぎ進めましたが勾配がすごすぎて断念。
近場をちょっと回るくらいなら自転車でもいいですが、島全体を回るならレンタカーがよいということを、身をもって痛感いたしました。
翌日はレンタカーで橋を渡り、奥武島へ。
よいお天気で絶景が広がっていました。
他にも昨日回れなかった、城跡(ここは本当に車でないと無理でした)などをめぐり、夕方の飛行機で沖縄本島へと戻りました。
憧れのリゾートホテル
ゆったりした久米島とはうって変わり、沖縄本島は都会ですね!
5年ぶりに沖縄へ来ましたがホテルがたくさん建ち並び、車の交通量がすごくて圧倒されました。
冒頭に掲げた、ローカルデザインを考察したいと思います。
宿泊したのは、ハワイの老舗ホテルが沖縄に!と話題を集めた、ハレクラニ沖縄。
エントランスを入るとゴージャスなフラワーアレンジメントが出迎えてくれ、花の香りに包まれたロビーの先にはプールと海を見ることができます。
リゾート感たっぷりの演出に訪れた人たちの高揚感が漂います。
お部屋にご案内いただき、カーテンを開けると海!
やはり沖縄のローカルデザインを考えるうえで、海は欠かせないなと実感しました。
ハレクラニ沖縄は落ち着いたインテリアで大人リゾートといった雰囲気がとてもよかったです。
リゾートホテルらしく家族連れがとても多く、宿泊の6歳以下の子どもは朝食が無料など、子連れのサービスも充実しているようでした。
お部屋に用意されていたお菓子。
これも沖縄を象徴する紅型(びんがた)のようなデザインです。
お土産に購入した地域限定のじゃがりこも。
黄や赤、青、この独特の色彩と花や海などのモチーフはぱっと見ただけで沖縄を感じるデザインです。
京都らしいデザインとして着物の柄をモチーフにデザインすることはありますが、ここまで地域を象徴できるものではないので、あらためて沖縄文化の独自性を感じました。
沖縄文化に根付くデザイン
さらに沖縄デザインを探求しようと読谷村にある「やちむんの里」へ行きました。
「やちむん」とは焼物、陶器を指す方言です。
やちむんは絵付けの鮮やかさと厚みのあるぽってりとした形、素朴な風合いが特徴です。
海を連想する鮮やかな青いグラデーションの器が目を引きました。
南国らしい花の絵付けも素敵です。
ここでも沖縄らしさを存分に堪能することができました。
ランチに訪れた金武町(きんちょう)でも沖縄らしいデザイン(まち並み)を見ることができました。
"キンタコ"の愛称で親しまれているキングタコス。
このアメリカン(メキシカンだけど)な店構えは広告規制がある京都のまち中にはないデザインです。
そのまち並みも独特の雰囲気で、テーマパークのようです。
ただ私が訪れとき、金武町では映画の撮影が行われていたようで、演者さんやスタッフさんなど関係者でとてもにぎわっており、看板などはペイントが施されていたようにも思います。
キングタコスのお姉さんに何の撮影か聞いてみましたが、「映画の撮影ってことしか聞いてないよ~」とのことでした。
アメリカンなデザインも沖縄デザインを構成する要素の1つだということを感じながら、ボリュームたっぷりのタコスとタコライスをいただきました。
沖縄を訪れて
久米島では地域産業について、沖縄では地域デザインについて知ることができました。
とくにデザインについてはあらためて意識してみると、その色づかいやモチーフなどの独自性のすごさを感じました。
私たちも"京都ブランド"としての要素を大切に独自の発信をつづけていきたいと気を引き締めました。
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八清社員が日本各地へ興味が赴くままでかけ、見て、聞いて、普段の業務では得られない知見を広めてきましたのでレポートします。
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