この日は雨。
冷たい秋雨が降る中、現場へ向かう。
解体工事が終わったので、基礎工事前に大工さんと現場打ち合わせ。
そして、使えそうなJunk素材を探してみる。
解体前にも、残せるもの残せないものを
振り分けしているが、実際に床や天井をめくってみると出てくるお宝もあるのだ。
まずは床板。解体業者さんに無理を言って残してもらったものの一つ。
貼られていた当時の汚れが残っているが、きれいに洗ってやれば問題無し。
新材では出せない、この色この風合いに、ほれぼれする。また元の位置に収まる日を待っているかのようだ。
次は、天井板。
予想していたより良い状態なので当然このまま残す。中央に書かれている、一等の杉板である。同じく表面の汚れを取り除けば、これまた是非使いたい素材。
そして、外壁代わりを務めていたトタン。長年の雨風から家を守ってきた忍耐強さは認めよう。しかし、トタンに雨があたると想像以上に響くから、住人はさぞ耳触りだったことだろう。
さて、これをどこで化けさせようか・・・。
中古・USEDは人によって好みがはっきり分かれる。古本、古着、古家具、中古車。汚れていても、汚れを落とせばまだまだ使えるし、キズや色落ちがあっても返って使い込まれて手になじみよくなっていたり、何より、重ねた年月か醸し出す風合い、それが中古・USEDの醍醐味。
特に中古の「家」においては。
長年住人の暮らしを直に支えてきたモノだからこそ、
本来あるべき場所にしっくり収まるような気がする。