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住用鉄骨の家

 

 2010.9.14
階段の話

室内の壁や天井は塗装をしますが、階と階をつなぐ、この階段については・・・?(上の写真左側)↑

滑り止めを固定するための銀色の金具や、汚れが目立たないような利点はあるものの、あまりぱっとしないこの色も、

住まいのリノベーションに合わせて何とか可愛く、お洒落に、素敵になるようにしたい!ということで、一工夫加える提案がされています。

 

それは、今の階段の段の上に、無垢材の厚みのある木の板を「載せる」というもの。木の板を載せて板を固定する、という単純な方法ですが、無機質でのっぺりとしたこの空間に無垢の木の板の自然な素材感のあるものが加わると、かなり雰囲気が変わりそうです。

 

載せる板の厚みや種類については、イメージがもう既に決まっているようで、打合せのやりとりでは、

「表面の粗い、工事現場で使われる足場板のような厚みと

素材感で・・・」

「サンプルで見ると、こんな感じ?」(横の写真左側)→

「いや、もっと汚れの出ている感じでも良いかも。靴の足跡が付いていたりするような。」

という風に、イメージが伝えられていました。

 

NOSTA&ZATTAの現場では、既存の階段をそのまま使われることも少なくありません。

今までにリノベーションされた木造2階建、「吉田本町(吉田山の見える家)」や「今熊野南日吉町(遊び心の詰まった家)」の現場には、

その家が住まわれてきた歴史を感じるような、風合いのある木製の階段がそのまま使われています。

素材感のある階段、確かにカッコ良いです。

 

着工前の最終打合せでは、この階段について細かい確認が行われました。今ある階段に厚みのある板を載せるということは、1段がそれだけ高くなる、ということ。

 

全ての段が高くなれば同じだけ高くなるので違和感はありませんが、踊り場から上る時の最初の一段、もしくは踊り場へ下りる時の最後の一段の段差が大きくなります。

 

普通の階段は同じ段差のものばかりなので、それまであまり考えたことはありませんでしたが、階段を上ったり下りたりする動作を見て「なるほどー。」と納得しました。(上の写真右側)

 

そこで、階段の踊り場にも木の板を載せては?という風に修正されることに。

 

普段何気なく使っている階段のこと。こんな風に時間をかけて改装案が考えられているとは思いもよりませんでした。

でも、改めて考えてみると、日常的に使う場所だからこそ危険の無いように考えられるべき所なのかもしれません。

 

↑屋上へ上がる階段の踊り場。ここの手すりには、元から木の板が載せられているデザイン。