棟梁と言われる人は、大かた、自分と親子ほどの年の差の人が多い。
そうではない若い棟梁も沢山いるが。
ここの現場は、Y工務店さん。親子ほど年の離れたY棟梁は、僕がいつも現場に行くと、待ってましたと言わんばかりに迎えてくれる。
「Fujiiくん玄関戸どうする?」
この言葉から始まったこの日の打ち合わせ。そう言えば、どんな風にするか決めてから連絡すると言ったきりだった。
Fujii 「元の通り引き違い戸でいきたいところなんですが、あえて開き戸にしたいと思います。」
Y棟梁 「高さも幅も中途半端やから、けっこう難しいで。」
Fujii 「現状の引き違いが1200か・・・。」
おもむろに、手近にある木材に寸法を書き始めるY棟梁。やっぱりこういうときは、図にしないと誤った指示になる可能性もある。だからこういった風景は日常茶飯事。
限られたハコなので、玄関にそこまで大きなスペースを取るわけにもいかず、出来るだけ効率よく開閉できるようにしたい。まず、今予定している幅だと大きな荷物を出し入れするときにひっかかる。かといって、片開きのよこ幅を広げると、戸をあけた時に外へ開く出幅も大きくなってしまう。向かいはそれほど広くない通路だし、さて、どうしたものか・・・。
Fujii 「じゃあ・・・、親子にしてみるのはどうですかね? 」
普段は邪魔にならないように片開きで使い、必要に応じて扉を開けられる
ようにしたいと考えたからだ。
落書きを眺めながら、
「親戸が750、子が200、そでが・・・、
それやったらいけるわ!」と棟梁。
Fujii 「ちょっと手間やけどここでサイズ合わせして造り付けでお願いします。」
こんな感じで現場で決まることも多々あり。
問題は予算かな。
親子ほどの年の差があるY棟梁、いつもありがとうございます。
これにてこの日の打ち合わせは終了。