設計物語
第3話 設計士さんを訪ねて(後編)

お話のエンジンがかかってきた設計士:川島さん。
取材に行ったはずの我々も、感性や建築についての考え方を一緒に話し合うのが楽しくなってきてしまい・・・!?

髙橋氏

話題が向かった先は・・・


第2話での、川島さんの『建築哲学』とは?の質問の答えを受けて)

髙橋「川島さんは、引き算の美学というか、
ミニマルがお好きと先ほどおっしゃっていましたが、
ずっと設計の根底にあるんですか?(・・?」

川島「そうですね、(大学時代くらいから)ずっとですね。
今は建築の仕事に注力しているので休止中なんですけど、
裏千家の茶道を習っていました。禅の考え方が好きで。」

(本がずらりと並んだ川島さんの事務所。建築のお話に花が咲きます)

内路地

hasemaki「へええ!お茶を習われていたんですね!
飾らないかんじのシックな黒系の着物が似合いそうですもんね。
川島さんの、お好みでもあったんですね~」

髙橋「川島さんの設計プランを見ていると『禅』の考え方というか、
なんだか分かる気がします。 ベースは学生時代からなんですね(@@;)。
なにかその時に影響を受けたものがあるとか・・・!?」

川島「僕、そもそもは表現が好きだったんです。昔は音楽やっていましたし、
今もオールジャンルで音楽を流しながら仕事したりしますし(^^)」
「家や建物っていうのは、僕の中で『表現物』の最たるものだったんですね。
生命活動に直結する、人間の『巣』なわけじゃないですか。」

髙橋「たしかに・・・『家』というのは純粋に
自分の主張や表現のかたまりですよね(@@」

川島「また『建築』って、クライアントワークでありながら、
奥に裏テーマというか、自分の表現を盛り込めるところに
面白さがあると思うんですよ」

hasemaki「なるほどぉ・・・お客さんからの建築依頼って、
自分の設計士としてのセンスや考え方をつかって、
表現・提案するってことですもんね。それが楽しめるってことはまさに天職・・・!(*▽* )」

川島「ふふ、そうかもしれませんね。
そうそう、良く読んでいた本としては、 建築家の石山修武さんが好きで。
著書を眺めては考えを巡らせたりしていました。」

(石山修武さん著のセルフビルドを繰る川島氏)

陽だまりの庭

髙橋「へええ!スゴイ!筒のような、、、これお家なんですかね?面白い(笑 )
自分が生きていく上での居場所ですからね、建物やお家って。
僕が好きなコミュニティにつながるものがあるなぁ、
ソフトとハードという違いはあるけど」

川島「そう、居場所なんですよね。
表現でもあるし、居場所でもある・・・(少し深く考えている様子)。」

髙橋「なにか他に、建てるときに大事にされている考え方があるんです?」

川島「『表現物』だとしても好き勝手自由にしていいわけでなくって・・・」
「お客さんからの依頼の場合は特になんですけど
『環境に素直であるべき』だと思うんです。」

髙橋「確かに、京都には特に厳しい法令制限がありますし・・・。
周りの景観やコミュニティに対する配慮というか、
とりまく独特な環境もありますしね(*_*;」

hasemaki「『環境に素直であるべき』ですか・・・!
川島さんが問題をポジティブに楽しんだり、
柔軟に対応しようと考えられている根本なのでしょうね(*'▽')」

川島「そんな制限というか、ルールがある中でどうしようかと
知恵を振り絞れるところが、また面白いですよね。」

髙橋「法令制限がある上に、京都ではご近所さんのお付き合いとか、
八清の建築基準もありますし、窮屈な思いはされてないですか?」

川島「不思議とそこまで窮屈や不自由ではないんですよ。
現場にいくと、大工さんたちと必ず『ああしよう、こうしよう』と
意見を交わすことになりますし、こちらとしても知恵をかしてもらったり。
できあがっていく楽しみもありますし!」

髙橋「そういっていただけると、僕としてはとてもやりやすいですし頼りになります。」

川島「お客さんに対していい仕事をしたいという気持ちはもちろんあります。
その上で、八清さん・大工さん・関わってくださった皆さんに
『ええ仕事した!』って思ってもらえる物件にしたいですね」

 -----『セルフビルド』をめくりながら、優しい面持ちで語る川島さん。
彼の考え方の基礎を作ってきた、バイブルのようなものなのだろう-----


髙橋「ああ、もうこんな時間です。
すみません、すっかり話し込んでしまいました
・・・貴重なお時間をどうもありがとうございました。」

川島「こちらこそ、楽しかったですよ。これからもどうぞよろしくお願いします。」

hasemaki「とても刺激になりました!お忙しい中どうもありがとうございました!」

髙橋「おっと、大事なことを忘れていました・・・。
川島さん、最後の質問なんですが・・・(-"- )(神妙な面持ち」

川島「は、はい?(ゴクリ・・・(@@;)」






髙橋「この辺でおいしいランチ食べれるとこってどこですか?(;´∀`)」

川島hasemaki コケッ! ミ(ノ;_ _)ノ =3

(左側:設計士の川島氏、右側:八清企画担の高橋)

西棟改装前リビング

【ご協力】一級建築士 川島 裕一 様
>>KAWASHIMA ARCHITECTS 川島裕一建築設計事務所
>>Facebookページ


このあと、川島さんは親身におすすめの食堂やランチを教えてくださいました。ランチをもとめて近江八幡旧市街へ向かったのはまた別のお話です・・・(本編では出ません、笑)

次回『第4話 ひろがる計画、ふくらむ期待』 につづく・・・