カネルプロジェクト
ストーリー1

職と食をキーワードにリノベーションする職住一体の町家

繊細な格子が連なる住宅街。
ふと足を止めると、静かな町並みのどこか遠くから、ガッシャン、ガッシャン、という機織りの音が聞こえてきます。

今回のプロジェクトの住まいがあるのは、そんな西陣織に携わる職人さんによって
作られた町「西陣」の北西部。

平安の頃から職住を一体にして暮らす文化が根付く西陣は、
住まいのオモテに店を構え、商品を売ったりモノを作ったりする家が今もたくさんあります。

モノづくりの精神が深く息づく町の空気に多くの若者やアーティストが共感し、
移住してコミュニティを創ったり、小さなお店もあちこちで見かけるようになりました。

今では古い町並みの中に新しさと個性が光る魅力的な場所として、すっかり町歩きの名所となり、
その独特の町並みを目指して全国からお客さんが来られます。

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そんな西陣で始める今回のプロジェクト。
コンセプトは「兼ねる」ということ。
「職」と「食」 をキーワードに、職住一体の町"西陣"で
住まいと仕事(または趣味)を兼ねて暮らせるリノベーション町家を作ります。

リノベーションのポイントは大きく2つ。

1つめは、先にもお伝えした「職(または趣味)」と「住」の共存です。
お店にもオフィスにも、ゲストルームや書斎にもなるフリールームが玄関脇にあり、
職と住を兼ねた暮らしが叶います。

リビングとフリールームの間におかれたキッチンは、
毎日の食事はもちろん、イートインのための厨房になったり、
ちょっとしたパン教室などにも使える機能を持ち、職と住の用途を兼ねることができます。

間取り図

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2つめはリビングの延長として使える中庭。

この家には贅沢にも2つの庭があり、それぞれの庭がそれぞれ2つの用途を兼ねています。
敷地の奥に設けられたプライベートガーデンは、
お風呂からゆっくり眺めて楽しめる用途と、換気や洗濯物を干すなど実用的な役割を、

リビングの隣に設けられたもう1つの庭は、
部屋から眺めを楽しむ庭本来としての役割と、
季節のいい時には窓を開け放ち、庭そのものを室内に取り込むことができる
パブリックガーデンとしての役割を持っています。

「暮らし」と「仕事」を共存させながら、
リビングと庭をつなげたり、景色を楽しんだりと、
仕事・趣味だけでなく、暮らしそのものも豊かに楽しめる
夢と現実がバランスよく詰め込まれた理想的な住まい。

メンバーは、設計・デザインをマウンテンアーキテクツの植松さん、
企画・プロデュースは弊社浜田、構造担当は弊社木村ので進めるプロジェクト。
完成は祇園祭頃の予定です。どうぞお楽しみに。

間取り図