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Vol.1 刻みの工程と道具の紹介

職人さんの腕の見せ所、刻みの工程に迫る!

木組み(きぐみ)

京町家や寺院などの古くから残る建物は、伝統構法で建てられています。
古都京都には、古くから現代に至るまで大きな災害などに耐えてきた寺院などの建物が残っていることから、伝統構法で造られた建物が長持ちしていることがわかります。

伝統構法の代表的な特徴として、木組み・石場建て・土壁という要素が挙げられます。

木組みとは、釘や金物などに頼らず、木材に切り込みなどの加工を行い、木材同士をはめ合わせることで建物の骨格をつくることです。

また、木組みを行うために木材へ切り込みなどの加工を行うことを[刻み]とよび、職人さんの腕の見せ所でもある重要な工程です。

梓工務店さんでは、イラストのような工程で作業が行われます。

今回は、実際に京つむ木の現場で使用する木材の[刻み]の様子を見学してきました。

刻み(きざみ)

柱などの木材を大工さんが一本一本丁寧に「仕口(しぐち)・継手(つぎて)」という凹凸に削る工程。
金物を使用しないで、木組みで家を立てる伝統構法では、この作業が最も重要となってきます。

仕口(しぐち)…土台と柱のつなぎ目や、梁と桁のつなぎ目など、2つ以上の木材を接合する方法

継手(つぎて)…木材の長さを増す為などに、木材と木材を同じ方向につなぎ合わせる方法
(できる限り一本の木材を使用しますが、長い木材がない場合などに用います。職人技を見れるポイント)

仕口と継手には様々な手法があります。下記の図はわかりやすく上げた一例。

▲木材をつなぎ合わせる為の、刻みの工程。この木材とは別サイドの木材も刻み、それぞれ凹凸の状態へ
▲刻みの工程を加えた木材は、後日、現場に運ばれて木組みの作業が行われました。その様子は後日更新していきます。
鑿(のみ) 鑿(のみ)
墨壺(すみつぼ) 墨壺(すみつぼ)

木組みの家を建てるにはなくてはならない存在、大工道具のご紹介

鑿(のみ)

木材に穴をあけたり溝を掘ったり等、加工する時に使用する道具
突き鑿(つきのみ)・叩き鑿(たたきのみ)・追入鑿(おおいれのみ)など様々な種類があります。
職人さんは、鑿(のみ)を、手入れ・修繕しながら大切に使用します。

墨壺(すみつぼ)

現在では、あまり使用されることはありませんが、伝統構法の”刻み”の作業にはなくてはならないものです。
墨さし(鉛筆のようなもの)で線を引く以外にも、長いヒモを利用して平行でまっすぐな美しい線を入れる方法もあります。
線一本の右側左側でも仕上がりに誤差がでるので、墨付けの作業は刻みの工程の中でも時間をかけて丁寧に行うとおっしゃっていました。

板図 (いたず)

薄い板に描かれた手書き設計図面
墨壺(すみつぼ)と同様に現在では、あまり見かけなくなりましたが、墨付けは、板図(いたず)を元に行うので、これもまた重要なものです。
地域や大工さんによって書き方は異なり、梓工務店さんでは、色を分ける等の工夫をされていました。
横は、「い、ろ、は…」縦は、「一、二、三…」と、番付します。

動画

刻みの見学の様子を動画でまとめました。
再生ボタン▶をクリックすると動画を見ることができます。
*音が流れますのでご注意ください。

刻みの工程を終了した木材を現場に運び、そこで木組みの作業を行います。
次回は、実際に木材を組む工程[木組み]をご紹介していきたいと思います。

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