街×町家(マチマチヤ) in 御所南

記事1.二条城と御所×町家

二条城と京都御所

二条城と御所

今回は、京都市内にある二つの大きなランドマークのそばの住まいです。

その一つ目が『御所』。京都御所には周囲に『京都御苑』という公園があり、普段京都で生活している人にとっては、散策のスポットとしても知られている、まちなかの憩いの場。

二つ目は『二条城』。二条城は入場料が必要になるため、日常の中では、堀に囲まれた敷地の四方をランニングする、ウォーキングするなどの楽しみ方が出来る場所です。

この二つは、春のお花見スポットでもあります。

街×町家(マチマチヤ)とは?

京都の市街は独特の雰囲気をしています。

古くからお商売をされている老舗があるかと思えば、その隣には新しい家が 建っていたり、古い家を使って新しくお商売を始めている店舗があったり。 通りに面して間口の大きな町家があれば、路地を進んだ先には小さな町家。

商業地だけでもない、住宅地だけでもない。新しいばかりでなく、古いものも 残っている。長い歴史という背景を持ちながら、町家がその形を留めていたり、 職住が混じり合った町並みが作られていたり。

そんな京都の街に住む面白さを感じられる住まいが「街×町家」。

周辺情報を載せている「はちはちマップ」では、ご近所のちょっと面白い場所を 紹介しながら、京都のまちなかに住む面白さを出来るだけお伝えしていこうと 思っています。

外観
解体前の建物の様子

解体前の建物の様子

左の写真は解体前の現地にて打ち合わせをしているハチセのスタッフ。

2階に居る二人を写した様子、ちょっと背が高いように感じませんか?町家のような古い家では良くあることなのですが、これは、この家の天井が低く作られているため。

低い天井

建物の中に居ると、まず天井の低さについて打ち合わせがありました。

単身やご夫婦での暮らしに適した、コンパクトな間取りの家。「解放感」までは望めませんが、できるだけ居心地の良いプランになるようにと、天井高を上げるための工事の方法が考えられることに。

低い天井
室内の暗さ

室内の暗さ

天井の低さと同時に、町家で良く言われるのが室内の暗さ。今回の町家でも一階は暗さが気になります。

「まず、路地に面した窓をもう一つ設けます。」
「坪庭からの光が入るように間取りを変更して・・・」

と、施行担当がプランを説明。窓の位置や間取りを整理して、日中の暗さを解消できるように改装していくことが確認されました。

パーケットフロア

パーケットフロア

改装前の1階・2階は、床板に同じ素材のパーケットフロア貼りで仕上げられていました。

「珍しい貼り方ですよね。あんまり見たことない。どうやって作ったんだろう?」
「以前に住まれていた方が手作りされたのかも?」
「そうかもしれませんね。」

こちらも改装では残すことが難しいそう。名残おしそうに床を見つめる二人。

不思議な窓

「この窓は残ると思います。」
と言って施行担当が手をかけたのが、階段の2階に付いていた窓。

「すごく滑りが良いまま残っていて、使い途は無いけれど、この窓を無くしてしまうのはなんだかもったいないですよ。」

階段部分はこのままの形を残すことがプランの中で考えられており、この窓は残そうと思えば残せる位置。

窓の上部が開かれる形になっていて、おそらく家が建てられた当時は、ここから採光や換気が取られていたと思われます。

今は隣の建物の壁が迫っているので、採光や換気は出来ないのですが、階段の上部に残っている、滑りの良い不思議な窓。
以前の建物の様子が残せるのならと、この窓はそのまま残す ことになりました。

不思議な窓