
ビル活用や建物の魅力を深堀りし、みなさんをおもしろビルの世界へ誘う記事企画「ビルまにあ」。
第4弾は、五条通新町角に位置する「つくるビル」です。
築60年を越える4F建てビルをリノベーションし、2012年にオープン。
様々な「つくる」をテーマに、オフィス・カフェ・ショップ・アトリエなどが集まっています。
つくるが集まる歴史
つくるビルの歴史を辿ると、当時、風呂敷商を営まれていた企業の自社ビル。
一度役目を終えたそのビルは、2~4階が2012年に「つくるビル」として生まれ変わり、再び動き始めました。
4階のアトリエには陶芸窯が備えられるなど、本格的な制作が行われていたそうです。
その後は、1階を10区画にリノベーション。
10組の作家が集まるアトリエスペースとして活用していたのだとか。
そこからさらに時が流れ、現在はデザイン事務所・建築事務所・ピラティススタジオ・ワインショップ・カフェ・ジュエリー工房・ネイルスタジオ・ファッションセレクトショップ・トレーニングジムなど、よりジャンルレスな「つくる」の集まるビルとなっています。

「つくる」が主役であることはそのままに、新しい変化をしなやかに受けとめていく。
つくるビルの歴史からは、そんな姿勢が感じられます。
ニュートラルな世界観

ビルの中は、配管やコンクリートのクールさが活かされつつも、壁面に暖色の花のアートが描かれていたりと、異なる温度が調和したデザイン。

4階まで上がると、窓から差し込む自然光や観葉植物が、コンクリートの質感と心地良く馴染んでいます。
ビル自体の表情は、いたってニュートラル。
五条通の賑わいをビルが優しく遮り、内側には静かな時間が流れている...そんな雰囲気の空間です。
つくるビルに集まる理由
つくるビルの302号室と401号室に入居しているメンズ&レディースファッションセレクトショップ「PARK」。
オーナーの丸山さんに、つくるビルを選んだ理由を伺いました。
「洋服のセレクトショップは、一般的には路面店のイメージが強いかと思います。
一方、つくるビルの入り口は五条通に面しておらず※、静かで、決して誰でも入りやすい...という雰囲気ではありません。
ですが、そこが魅力的なんです。
何があるかな?という期待感に繋がりますし、通りすがりになんとなく立ち寄る...というよりも、買い物を目的にして足を運んでもらえる。
そんなお客様とゆっくりコミュニケーションをとりながら、一人一人に合わせたスタイリングをご提案したいんです。
他のお客様とバッティングもしづらいので、焦らずたくさん試着してもらって、後悔のない買い物をしてほしい。
そういう点で、つくるビルの雰囲気や立地はとてもマッチしています。」

つくるビルの入り口※。静かに新町通側に佇んでいます。
(※1階テナントの入り口のみ五条通に面しています)
現在、PARKは302号室と401号室の二つの区画で営まれており、ブランド別で部屋を使いわけているそうです。
商品について丁寧にブログで発信されており、そのセレクトと世界観に共感したお客様が、京都府外からも来店されるのだとか!
PARK
ブログはこちらをご確認ください。
「つくる」を受けとめる、ビルの余白
PARKを筆頭に、ショップ・オフィス問わず、コンセプチュアルなテナントが集まる、つくるビル。
かつては入居の際、ポートフォリオの提出を求めるなどの審査があったそうですが、現在は行われていません。
それでも不思議と、このビルの空気感に引き寄せられるように、どこか似た雰囲気を持つテナントが集まってくるのだとか。
暖かすぎず冷たすぎない、ニュートラルなトーンを持つこのビルは、各テナントの様々なコンセプトをやわらかく束ねています。
それぞれの「つくる」を受けとめるこの余白こそが、つくるビルの魅力なのかもしれませんね。
もうひとつお話を
最後に、今回お話をお伺いした、つくるビルの管理を担う株式会社川端組。の代表取締役組長、川端寛之さんのお仕事についてもご紹介します。
不動産の仲介・管理のみに留まらず、企画も手掛けておられ、「京都一ファンキーな不動産屋」を名乗る川端さん。
その中でも、大阪府吹田市南吹田の長屋・アパートをリノベーションする集落再生プロジェクト「南吹田琥珀街」、京都府亀岡市の集落再生プロジェクト「A HAMLET」、海上輸送用のコンテナと長屋で構成される京都市中京区のテナント施設「SHIKIAMI CONCON」など、複数の建物を包括的にリノベーションする企画が印象的です。
集落単位でリノベーションすることによって、〝多数派でない価値観を持つ人同士がコミュニティを形成でき、「自分はおかしくなかったんだな」と思えるような場所の、選択肢を増やしたい〟というのが川端さんの思いなのだとか。
そのためにも入居希望者へ、地域との相性や還元を考慮した審査を行い、ミスマッチが起こりにくいようにしているそうです。
プロジェクトチームも、まちや物件のストーリーに合わせて、川端さんが毎回新しく編成しているのだとか。
一般的にイメージする不動産業の枠を超えた、そのフレキシブルな取り組みはまさにファンキー。
川端さんの携わる物件は、ウェブサイト「KAWABATA channel」にて見ることができます。
募集物件ページは、読み応え抜群。
ぜひ覗いてみてください!
KAWABATA channel
南吹田琥珀街
A HAMLET
SHIKIAMI CONCON


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