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観光目線とはまた違った京都を、まちブラしながらご紹介します。

暮らす視点で散策すると、また新たな京都の魅力に出会えますよ。

今回は左京区でも有名な哲学の道周辺をまちブラしてきました。

哲学の道(てつがくのみち)

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銀閣寺から南禅寺までの約2kmの静かな散歩道となっている「哲学の道」の近くには文人が多く住んでいたようで、琵琶湖疎水の管理用道路として完成した明治の頃は「文人の道」と呼ばれていました。

20世紀初頭の哲学者で京都大学教授・西田幾太郎(にしだきたろう)の住まいがすぐ近くにあり、毎朝この道を歩いて思想を巡らしたことから、1972年に「哲学の道」と名付けられたそうです。

哲学の道は、桜並木の名所としても知られ、時折鳥のさえずりが聞こえてきます。

脇を流れる疏水は琵琶湖から人工的に引かれたそうですが、すぐ近くを流れる白川が北から南へ流れているのに対して、こちらは南から北へ流れているのは面白いですよね。

下を見れば川の流れ、見上げると緑・桜・紅葉のトンネル。

川の流れに耳を傾けると気持ちも落ち着きます。

哲学の道の北にある銀閣寺は日本人の独特の美意識「わび・さび」を産んだ文化、東山文化を代表する建築です。

銀閣寺は室町幕府八代将軍の足利義政(あしかがよしまさ)によって建てられ、武家、公家、禅僧らの文化が融合して生まれたとされ、身分に関係なく美が追求されたようです。

この頃に花道、茶道、香道の基礎が出来たとも言われ、今でも日本人にその精神は脈々と受け継がれているように感じます。

そんな文化発祥の地を今も時代を超えて感じられる哲学の道界隈は、季節の移り変わりを目で感じられる程に山が近く、朝の空気が違います。

昔ながらの景色も残り、車の通りも少なく閑静な住宅街が続きます。

近くには24時間営業のスーパーもあり、暮らしにも便利ですね。

そして、個性的な個人商店も多く並び、散策してお気に入りのお店を探すのも楽しそうですよ。

他には無い、楽しいお店をいくつか見つけたので、ご案内します。

タイ料理と素敵な器に出会える「コイコイ商店」

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コイコイ商店は、タイ料理店と同じフロアに民藝品も展示・販売していて、素敵な民藝品に出会える、試せる、使える、という人気のお店です。

アジアンテイストでゆったりスペースのおしゃれな店内は、まったりしたくなる落ち着いた雰囲気。

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この日はランチメニューをいただいたのですが、本格的なタイ料理なのに、ベースは優しいお味。

辛さはお好みで足せます。

ピリ辛と旨みのバランスが丁度いいので、辛いのがあまり得意ではない人でも安心です。

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出汁の効いたふんわり卵の茶碗蒸しはナンプラーの香りがアクセントになり、新しい味との出会いで、とっても美味しかったです。

コロナ禍でなかなか海外へは行けませんが、京都にいながらタイ料理でプチ旅行気分になれました。

料理が盛られた器は味わいのある作品で日常使いに丁度よく、その場で購入出来ます。

お値段も手頃で、おしゃれに見えて組み合わせしやすいものばかり。

オーナーご夫婦が同年代の30代40代の若手陶芸家を応援したいと自ら全国へ買付けに行かれているそうです。

お気に入りの作品を見つけたらその場で購入もできますし、月額のサブスクリプションを利用して、家で実際に使ってみることもできるのは嬉しいですね。

随時新作も入荷しているので、素敵な作品との出会いも楽しみですね。

民藝とタイ料理 コイコイ商店

京都市左京区鹿ヶ谷法然院西町30

12:00-15:00 ランチ、15:00-18:00 カフェ、ショップ、18:00-21:00(LO) ディナー

Webサイト

カレーとパンのお店「zushi curry & ぱん屋LeuCocoRyne(リューココリーネ)」

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可愛い花の名前がついたパン屋さんと店主のzushiさんのカレーが頂けるお店です。

よく聞かれるそうですが神奈川県逗子市は関係ないそうです(笑)

こちらはトランス脂肪酸0、ヨーロッパの発酵バターを使用した濃厚で香り豊かなクロワッサンが人気のお店です。

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この日は催事へ出店されているとのことで、運良く最後の1個をゲット出来ました。

頂いたのは、全粒粉のクロワッサン。

自宅でリベイクの仕方まで書いてあったので、早速トライしてみました。

・予熱したトースターにクロワッサンを入れ上からアルミホイルを被せ1分から1分20秒焼く(クロワッサンの底が焦げない程度)

・トースターを止めアルミホイルを外し2分待つ(待つ事で外がよりパリっとなります)

セサミと香ばしい香りが更に際立ち、外パリっ、中もちふわっ。

知ってるクロワッサンとはちょっと違う感動がありました。

んー、全種類食べてみたい!

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お店では「ハンデルスベーゲン」のアイスクリームをベリーとキャラメルナッツのダブルで頂いてきました。

「ハンデルスベーゲン」とは、スウェーデンのストックホルム郊外にあるお洒落な家が並ぶ通り名だそうです。

アイスクリームは濃厚でクリーミー、素材の味がしっかり感じる贅沢な味わいで抜群に美味い!一口頂いて思わず「うまっ」!声が漏れました。

お持ち帰りも出来るので、これからの時期におすすめです。

zushi curry & ぱん屋LeuCocoRyne(リューココリーネ)

京都市左京区浄土寺下南田町23

8:00~18:00 火曜休

Webサイト

珍しい形をした植物を愛でられる「田中美穂植物店」

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川沿いのとっても小さな植物店さんです。18年目を迎えられ、行く先々のお店でその人柄が慕われているのを感じました。

手に取ってよく見ると、個性的な枝が並ぶ小さな植物はどれをとっても絵になり、遊び心を掻き立てられます。

インテリア向けではなく、太陽の日差しをいっぱいに受け京都の庭の風に似合う植物が中心です。

お話しを伺っているとどの植物もかわいく見えてきて、この部屋にはこの子が合うかな〜と妄想が膨らみました。植物への愛が溢れているのが伝わってきますし、仕入れをするのがとっても楽しそうです。

八清でも以前、お庭のコーディネートでお世話になりました。(当時の記事はこちら)

また、次にご紹介する「Ren」さんもお庭のご相談をされたそうですよ。素敵なお庭は必見です。

素敵な植物をお探しの方は、一度覗いてみてくださいね。

田中美穂植物店

京都市左京区浄土寺下南田町37-4

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家も作ってしまうオシャレな金工「Ren」

田中美穂植物店さんにご紹介いただいたのが、斜め向かいの金工「Ren」さん。なんと高校の先輩・後輩なんだそうです。

中から作業をしている音が聞こえていたのですが、表玄関はクローズになっていたのです。しかし、先輩の田中美穂植物店さんが躊躇せずノックして下さいました。さすが先輩・・・。

作品作りに集中されていたと思いますが、先輩からの紹介ということもあり、快く招き入れていただき、お話しを聞かせていただきました。

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Renでは、金属工芸の技術を使い、暮らしの中で使いたいものを一枚の銅板を叩いて伸ばして一つ一つ手作業で加工されています。

元々ジュエリーを制作されていたようで、今でもオーダーメイドでリング製作のお仕事もされているそうですよ。展示されている作品の一つ一つが美しいと感じる理由が分かった気がしました。

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繊細な線と光沢が美しく、インテリア生活雑貨と言うよりはもはや芸術品です。

使っていく年月と共に色合いも深みを増すなんて、愛着も増しますね。

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ギャラリーには長く愛用したくなる作品達が並んでいました。

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奥の坪庭は先輩の田中美穂植物店さんが手掛けたそうです。すごく自然なのはさすがですね。

この工房兼ギャラリーは2020年に移転されてきた時に、なんとセルフリノベーションされたそうです。

YouTubeを見ながら、見よう見まねで初めて家を作ったということで、今どきですね!衝撃でした・・・(笑)

とても素人が作ったとは思えない素敵な工房です。

こちらは元々家具屋さんが倉庫として使っていたそうで、2020年に譲り受けた時はガレキの山で、整理するところから始まったそうですよ。

とても倉庫だったとは思えない変わりよう。

創造性と美的センスがそこにも伺えます。

白を基調とし、趣きを残しつつ、モダンなインテリアを組み合わせたお洒落なギャラリーから見える庭は、癒しの風が吹いていました。

4月頭に展示会でその作品達を拝見出来る機会があるようなので、詳しくはホームページでご確認下さい。

現在ギャラリー未完成とのことで、店舗営業はお休みされているそうですが、注文できるそうなので気になった方は是非連絡してみてください。

素敵なギャラリーと美しい作品をご覧頂きたいです。

Ren

京都市左京区浄土寺下南田町36

Webサイト

行列のできる個性的なお店「青おにぎり」

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日本人の愛すべきソウルフード「おにぎり」で行列ができるお店「青おにぎり」さん。

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睨まれてます。

お店の正面にはレトロな自転車と旗。

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目立たない色合いですが・・・すごく目立ちます。

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評判通りやっぱり人気で、こちらも「タイミング」良く最後の1個を頂いてきました。

店主がお一人で切り盛りされているので、前日に注文するといいそうです。

玄米のぎっしり食べ応えあるおむすび。噛めば噛むほど甘みを感じる玄米に塩味が鋭い塩がキリッと美味しい。

具材も色々選べますよ。

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店内でもカウンター席で頂けますが、お昼時は混み合っているようで、行列ができていることも多いそうです。

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お米がなくなり次第終了とのことで、「すべてはタイミング!」とのこと。

ユニークな店主の口ぐせに、ほっこり笑ってしまいました。

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店構えも独特な雰囲気で面白く、店内にはオリジナルグッズも沢山揃っていました。

お土産にいかがでしょうか?

青おにぎり

京都市左京区浄土寺下南田町39-3

11:30~18:00(売切次第終了)、月曜定休・火曜不定休

Webサイト

「!」が溢れている「ホホホ座」

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こちらは独特な雰囲気で知られている「ホホホ座」さん。

入口から個性が溢れ出ていて面白そうですよね。

さっそくお邪魔してみましょう。

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店内に入ると、大好きなドラえもんの新刊やグッズがレジ前に並んでいました!

「ドラえもんミュージアム会館10周年記念フェア ドラえもんだけじゃないシールくじびき」というポスター・・・魅力的!

「ドラえもん関連商品お買いあげでシールかポスターのくじ引きひけます!」と書いてあります。

公式サイト「ドラえもんチャンネル(外部リンク)」によると、2021年9月3日に藤子・F・不二雄ミュージアム(神奈川県川崎市)が開館10周年を迎え、全国の書店で藤子・F・不二雄先生の書店フェアが開催されました。

どのシールもとってもかわいいです。

幼少期、机や引き出しに貼っていたのを思い出しました(笑)

店員さんのお話では全国の書店でも大人気のくじ引きとのことで、すでに無くなっている書店も多いのだとか。

探していた人がこの記事を見たら「!」となりそうですね。

ドラえもんファンのみなさん、お探しのシールが京都のホホホ座にありますよ!(取材時点です)

ビートルズにウルトラマン・・・なんだか懐かしい雰囲気の本や雑誌が並んでいますが、こちらは古本屋ではなく新刊書店とのこと!

最新刊からレアな年代物の本やグッズまでたくさん並んでいます。

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思わず手に取ってしまう仕掛けや、これはなんだろう?と見入ってしまうオリジナル感満載のお土産グッズ達が目を引きます。

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斬新な写真集やレトロで貴重なポスターを眺めているうちに、いつのまにかノスタルジックに浸っていました。

店員さん曰く「本の多いお土産屋」だそうですが、クセになる世界感です。

オンリーワンな気になる本も沢山ありますし、またその世界を覗きに行きたくなるようなカルチャーを感じる、そんなお店でした。

ホホホ座

京都市左京区浄土寺馬場町71

11:00~19:00、無休

Webサイト

※2022年4月制作時点の情報です

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