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昨年の研修から子どもが2人に増え、家族4人。

走り回りたい盛りの長男と乳児の次男。

何とか移動を最小にして大人も子どもも楽しんで学べる場所は無いものか...。

青森にそんな願いを叶える場所がありました。

星野リゾート青森屋、美術館だけど公園みたいな十和田市現代美術館。

行ってきました。

まずは星野リゾート青森屋。

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みちのく祭りや広場

ここは、ねぶたとリンゴをテーマにしたお祭り広場や広大な敷地内に公園を有する地域資源活用型のホテルです。

毎日お祭りをテーマにした「みちのく祭りや」。

盆踊りが今にも始まりそうな提灯のライティングがワクワク感を誘います。

リンゴジュースの蛇口や大浴場、食堂など、滞在中はこの広場を起点に行動します。

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リンゴジュースが出る蛇口

お風呂上りにリンゴジュースを子どもと飲んで広場やお土産屋さんを散策したり、食堂へ続くねぶた提灯で彩られた通路を眺めながら移動したりします。

地域の特産物を移動しながらも体験できるように考えられており、テーマパークの様な空間となっています。

分かりやすく、ホテルの「お祭り感」を演出し伝えているのですが、安っぽさは無く、程よい手作り感がある親しみが持てる空間(その匙加減がとても難しいのですが...。)となっていました。

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ねぶたショー

夜になるとねぶた祭を模したショーが開催されています。

青森には「青森ねぶた」「弘前ねぷた」「五所川原立佞武多(たちねぷた)」の三大ねぶたがあります。

知らなかった...。

祭りの成り立ちや時期などをショー形式で学ぶことが出来ます。

ストリーテラーや楽器のパフォーマンスを行うのは、ホテルで働いていらっしゃる従業員の方々です。

翌日のホテルですれ違った時に「あっ、ショーで笛を吹いてた人だ。」となぜかショーで見た方には勝手にファンのような親近感を覚えてしまい、そのままホテルにも親近感が芽生えました。

親近感が湧くと次回訪れる際も選択肢に加わる可能性が高く、リピーターとなる方もいらっしゃる気がしました。

これもショーの波及効果と考えていたら恐るべし...。

当社でも何かショーやろかな(笑)。

プライベートな空間ではお風呂が楽しみでした。

子どもが大浴場に入れないので家族風呂が併設されており、かけ流しで24時間入れるので、1日に3、4回入ってました。

平時は2人の子どもをサッ、パッとお風呂に入れているので、ゆっくりと湯船につかれる時間は貴重です。

ここは昨年のオーベルジュに引き続き何もしない贅沢を堪能しました。

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朝の散歩

朝からは広大な敷地内にある公園で朝食や散歩を楽しみました。

岩手県の北部地方、青森県の南部地方に見られる建築様式で、馬と居住する様につくられた曲り家を移築したレストランで朝食を取りました。

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曲がり家の吹き抜け

レストランの間取りへ変更されているので、当時の使い方とは異なるのですが、オリジナルに近しい部分は玄関付近でした。

広い玄関から入り一つ目のお座敷に囲炉裏が設置されており、帰ってきたら直ぐに暖が取れる間取です。

その上部は茅葺屋根裏まで吹き抜けており、隣接する馬小屋まで暖気を届ける造りとなっています。

東北の生活に馬が欠かせず、大切な家族の一員としてケアしていたことが伺えます。

朝食後は回遊式の公園内を家族で散策しました。

キリっとした空気の中で背筋を少し伸ばしながらゆっくり歩いた時間はとてもリラックスできたことを思い出します。

普段は木や草に触れる経験が少ない子どもにとっては、葉っぱを拾っては投げ、落ち葉を踏んで音と感触を楽しんだり、自分から進んで遊びを発見していました。

十和田市現代美術館へ

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十和田市現代美術館のアプローチ

ホテルはこれまであった地域資源の演出を観光に転化した体験をしましたが、次は逆に地域の新たな観光資源となった場、十和田市現代美術館に赴きました。

この美術館の特徴は、何といっても小さな建物が混在している様な間口の広い独特のボリュームです。

美術館なのにまち並みに似たリズムが形成されており、急に別世界に引き込まれた様です。(長男も面白かったらしく、大はしゃぎです)

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面白いボリュームの建物

各建物のボリュームは角度を振ってあるので、館内を歩くと路地を散歩している楽しい心持になります。

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内側と外側が曖昧な空間

展示物と外部空間の境界は線の細いカーテンウォールで構成されていて、内と外が曖昧な空間で、あまり他の美術館にはない開放的な空気が漂います。

建物の隙間は外部からある程度入る事もできるので、道路と敷地の境界も曖昧で「公園と建物が混ざった中間領域」といったまちなか空間となっていました。

そのため、「美術館というよりは小さなまち」に遊びに来たような体験が出来て、滞在した時間の中で一番面白く感じました。

最後に

この研修では青森屋で地域資源(=文化)を演出する仕掛けを提供し、お客さんを楽しませるアクティビティの作り方や空間手法を学びました。

十和田市ではまちに対する建築側のアプローチを新しい切り口で提案しており、それがまちの資源となっている様を体験しました。まちに対して、何かを発信できるような挑戦の大切さを学びました。

この研修を通じて、京都でお客様の暮らしに対して、より良くできる挑戦を続けていかなくては...!と感じました。

あれ?そういえば暮らしを楽しくすることをテーマにした新しい施設が東山二条でプロジェクト進行中のような気が...。

東山二条ビル改修プロジェクト

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京都屈指の文化芸術エリア「岡崎」にあるビンテージビルに新たな息吹を吹き込むプロジェクト。

暮らしを楽しくする「きっかけ」をつくる場所として、ビルの1階は賃貸店舗、2階にはキッチンのあるイベントスペース、3階・4階はレジデンスを計画中です!

プロジェクトページ

ぜひぜひ、今度はこちらで会いましょう◎