1本の木が板に加工されていく様子 1本の木が板に加工されていく様子

Story2_2材木のこと

今回の物件の木材、これは全てではありませんが、
一部に西粟倉村の森から出た材を使います。

専門家も注目する全国でも指折りの美しい西粟倉の森ですが、
実はその森が今、危機に直面しているのをご存知でしょうか。

それは約50年前、戦中・戦後の大量の木材需要で、日本の林業が最も盛んだったころ。
木が伐採されつくし、裸のようになった山の跡に
≪植林≫の一大ブームが巻き起こりました。

当時、杉やヒノキは建築材として高値で取引され、
特に軽く柔らかく美しく、また成長の早い杉の植林は経済効果が高いとされ、
政府も植林の後押しをしていたそうです。

植林された杉
植林された杉

板に加工される直前の原木 板に加工される直前の原木

西粟倉の森 西粟倉の森

杉の木が材木として使える大きさになるには、
100年の歳月がかかります。

子のため孫のため、100年後の西粟倉のため、
当時の村の人々は植林に励みました。

西粟倉村の敷地の95%を占めるという巨大な森林は、
そのうちの85%が人工林。

村の大きさが京都の西京区と同じことを考えると、
その途方もない大きさが想像できます。

ところがその後、外国産の安価な材木が輸入されるようになり、
国産の原木価格は大きく下落してしまいました。

またちょうどそのころ、家庭用の燃料が薪炭から化石燃料へと変わり、
日本の林業はますます衰退してしまうのです。

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