コラム京都ならではの不動産投資の面白さ

1.変動する経済環境における不動産投資の安定性

不動産投資は ミドルリスク・ミドルリターン の資産として位置づけられ、株式などと比較すると価格の急激な変動が少なく、一定のリターンを見込める特徴があります。また、不動産価格は為替変動にある程度追従するため、リスクヘッジの手段としても活用できます。

また不動産投資は、実際に見て体験した好きな物件に投資できる。 という点が他の投資と比較して、所有する楽しみを感じられる投資です。実体を伴いますので、自分の好きな外観や空間デザイン、憧れのエリアに投資できることは、単なる資産運用以上の楽しさがあります。

今回は不動産投資の中でも、とりわけ京都市内の町家での戸建賃貸物件について、私が考える「利回りだけでない投資の側面」を紹介していこうと思います。

2.京都に注目した不動産投資の面白さ

不動産投資ですので、まずは住みたい方がいるかが一番気になる事と思います。住みたくなる理由を①京都のエリア的な面白さ。②心が躍る京町家に住む。という点からお伝えします。

①京都のエリア的な面白さ

A.落ち着いた生活環境

京都市はほどよく都市機能が整っている一方で、東京や大阪ほどの過密感がなく、穏やかで落ち着いた雰囲気があります。また寺社仏閣などが身近であり、日常的に文化財と共に暮らせ、季節ごとの伝統行事など一年を通じて楽しめます。

B.食べ物の幅広さ

京野菜や湯豆腐、京懐石など上品な味わいの料理から、昔ながらの喫茶店、町家をリノベーションしたカフェなど、食べ物の選択肢が広く魅力的です。

C.意外と便利なアクセス

新幹線などで東京や大阪へスムーズに移動できるため、仕事で全国を移動する人にも便利な立地です。また、市内は公共交通機関(主にバス)が発達しているので車を持たなくても快適に暮らせます。とはいえ主力は自転車です。京都旧市街は約10km四方ですので公共交通機関を利用せずとも住んでいる方は多いです。

②心が躍る京町家に住む

地域の風土に根差した伝統的な建物に居住することは、京町家の持つ大きな魅力です。手仕事で作られる真壁や格子戸、粘土瓦は経年劣化ではなく経年美化していき、味わいが増していきます。

マンションと比較すると、多少夏は暑いですし冬も寒いかもしれません。年中を通じて快適な一定の気温で過ごす豊かさもありますが、一方で季節の移ろいを肌で感じ、庭からの風や光を楽しんだりできることは日々の暮らしに小さな喜びを与えてくれる良いきっかけとなります。

また京都は地域のコミュニティがしっかりしていると言われています。よそ者が来た!嫌やなぁ。ということは無く、新しい人やモノコトが実は大好きな京都人。京町家は旧市街地に位置していることが多く、住むことで地域のコミュニティや年間行事に気軽に参加できるきっかけとなります。地蔵盆の準備や数珠回しなど伝統に触れながら暮らすことが出来ます。

この様に京町家は単なる建物の美しさのみならず、季節を肌で感じたり、伝統行事や文化に触れたり、心躍る魅力が沢山あることで、住みたい方を惹きつけてやまない理由となっています。

つまり、伝統的な町家に住みたいという需要は少なくなく一定の賃貸需要があるものといえます。京都 x 町家独自の賃貸マーケットについては、次の記事でお話をする予定です。お楽しみに!

ちなみに伝統的な町家は

  • ・建築基準法制定以前(昭和25年以前)に伝統構法を用いて建築されていること

  • ・平入切妻を基本とする大屋根で、トオリニワや三間続き間などの特徴をもつ

と大まかに定義されています。

※上記定義は公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター(外部リンク)により定められています。詳細は当該法人webをご確認ください。

3. 利回りだけでない投資の側面

京都の町家は収益以外に、面白い投資の視点がいくつかあります。

A. 減価償却による節税効果

法定耐用年数を超過している古い建物を購入すると、減価償却による節税メリットを享受できます。特に木造建築は、短期間での減価償却が可能になり、投資する方の収入が多い場合は税制面で有利に働きます。

工事費の高騰により建物価格が高くなっており相対的に利回りが低くなることが予想されますが、償却効果を鑑みることで、賃貸収入のみで計算する利回り+αの投資効果にて資産形成が可能です。

実際にシミュレーションした記事がございます!是非ご覧ください。

B. 京都の町並みを守る投資

私達が主に取り扱っている京町家は2024年時点ではおよそ3万4千件が残っていると言われていますが、年間に1.7%ずつ減少しているそうです。八清が再生・維持している京町家は年間に約30~35軒で、他の業者や個人で再生・維持したものも含めても、その減少に歯止めがかかっていないのは明らかであり、保全が進まないことで消滅の危機に瀕しています。

町家が失われると町並みが崩れて京都の魅力も低下し、エリア的な価値そのものが下がる可能性があります。一方で、 不動産投資を通じて町家に投資することは、 京都らしい景観を守りつつ、資産価値の下落を防ぐという意味でも価値があることだと考えています。

このように収益目的だけでなく、 町並みの保全や文化の継承という側面を持ちつつ資産形成ができることは町家投資の醍醐味といえるのではないでしょうか。

4. 町家の耐久性

「築75年以上の町家に投資するのは不安」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。当社はリノベーションを実施するあたり隠蔽部(構造補強や配管類など目に見えない部分)について徹底的に補強や更新を行います。

目に見える外観や内装のデザインのみならず、不具合が生じると工事のハードルが高い隠蔽部にこだわってこそ、耐久性のある資産としてご提案できると考えています。

隠蔽部については大きく二つのこだわりがあります。

A.上下水道管やガス管、電気配線、隣家の生活音への配慮

キッチン・お風呂・トイレ等の水回りの排水管、電気配線やガス管・水道管もすべて新しいものに入れ替え、新築住宅と遜色ない基準まで引き上げることで、お引渡し後の定期メンテナンス以外の不具合が生じることをできる限り少なくしています。

また京町家は連棟建物(=柱壁を隣家と共有している建て方)の場合が非常に多く、話し声やテレビの音などを気にされる人もいるため、必要に応じて断熱材や遮音シートを使って、音が伝わりづらく快適に居住できる環境づくりを行っています。

B.京町家の構造を尊重した構造補強

現行の耐震基準は基礎と建物を緊結し、地震のエネルギーが建物に伝わった際に耐える構造=耐震構造と呼ばれる考え方をします。

一方で京町家は基礎と建物を緊結しないため、地震のエネルギーが直接建物に伝わりづらい構造となっており、現行の耐震基準とはそもそも考え方が異なります。(良い言い方をすると、地面と縁を切って地震エネルギーが建物に入りづらい免振構造の様な考え方とも言えます)これが町家の耐震基準を明確にできない要因となっています。

当社では100年近く建っている京町家の構造を尊重した構造補強を行う事で耐久性を確保していこうとする考え方の基、工事を行っています。

その核となっているものは、京町家の取り扱いを始めてから24年(2025年時点)、約550棟以上の建物を改修する中で作り上げた八清標準施工マニュアルという施工基準です。当該基準に則り構造補強及び防蟻工事を実施し社内ペアチェックをすることで、幸いにも本記事現在で構造的な不具合によるクレームは生じておりません。

詳細は下記リンクが良くまとまっております!是非ご覧ください。

さて京町家の築年数が経過していても隠蔽部にこだわることで、安心感を得て頂けたのではないでしょうか。

その様な工事もさることながら「古くても状態が良かったり、直せそうなものは出来る限り残して使う」という考えのもと、柱や梁だけでなく、家具・建具なども再利用して、年月とともに増した「経年美」や「古いものの味わい」を大切に建物をつくりあげ、世界に一つだけの京町家を提供します。

前述の通り、京町家のリノベーションには大きな手間とコストがかかり、価格が高くなる傾向にありますが、一般的な中古戸建マーケットと異なり安定したリセールバリューや賃貸収益を狙える投資対象となります。

5. 実際の投資事例:京都市下京区の町家

実際に京町家をご購入頂いた事例をご紹介します。 京都ファンの投資家さんが2017年に京都市下京区の町家を購入された事例です。取得頂いた理由としては

A.なんといってもデザインが好き!

八清が協業している設計者の方のデザインに惚れてくださいました。「好き」と感じたものを所有しながら投資できる、京町家投資の醍醐味を体現された考え方でした。

B.取得後の安心感が違う!

自社で手掛けたリノベーション物件の購入、入居者の募集、入居後の管理、その後の売却まで、当社では一貫してサービスを提供しています。京都という慣れないエリアでも安心感を持って購入頂きました。

C.節税効果も得られる!

本事例の物件は取得価格の内訳が土地価格約32%、建物価格約62%と建物比率が高く、 減価償却による節税メリット を十分に享受できる物件でした。利回り+αの投資効果が得られることも本事例を購入されたきっかけとなりました。

実際の物件はこちらです!

町家らしさを残した外観。
玄関はゆったりと作られている。
朱色のレンガ調タイルを使った2階LDK
庭を眺める主寝室
坪庭からは季節が感じられる
統一感のある水廻り

物件コンセプト

古都京都のように、古いモノの美しさを味わいながら暮らす家。生涯にわたり愛着を持って過ごすよう、煉瓦や和紙など経年美を楽しんで貰える工夫をちりばめたデザインです。

まとめ

  • 不動産はミドルリスク・ミドルリターンで安定資産

  • 好きな外観やエリアに投資できる楽しさがある

  • 京都の町家投資は減価償却や街並み保全のメリットがある

  • 実際の事例からも、町家は投資価値のある物件といえる

不動産投資を考えるなら、 資産運用の視点だけでなく、「好きなものに投資する楽しさ」も考えてみてはいかがでしょうか?

CCIM(米国公認不動産投資顧問)、一級建築士、宅地建物取引士保持藤原 佑樹

資産形成を目的とした投資相談に強いだけでなく、京町家に始まりビルに至るまで、様々な建築実務にも携わっており、豊かな空間を作ることと資産形成を理論的に結びつけ考える八清の営業担当。

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