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春の京都で桜を楽しむなら、名所「哲学の道」は外せません。

静かな琵琶湖疏水沿いに咲き誇る桜並木は、まるで絵巻物の中を歩いているような風景です。

風情ある散策路として、国内外から多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

今回の街歩きでは、人の流れとは逆方向の「南禅寺 → 銀閣寺」ルートをご紹介。

混雑を避け、ゆったりと京都らしい風情と静けさを楽しむのにぴったりです。

おすすめは早朝(7〜9時頃)。

人も少なく、鳥のさえずりとともに静かに桜を堪能できます。

混雑を避けたい方は、朝早くか夕方前(16時前後)が狙い目です。

もしこの地域に住んでいたら、朝夕の散歩コースにしたくなる場所ですよ。

哲学の道とは?

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「哲学の道」は京都市左京区にある全長約2kmの散策路。

琵琶湖疏水に沿って、銀閣寺から熊野若王子神社まで続いています。

その名は、京都大学の哲学者・西田幾多郎氏がこの道を歩きながら日々の思索を深めたことに由来します。

西田氏のみならず、多くの学者がこの静かな小道を愛し、思索にふけったといわれています。

現在でもその静けさを残し、多くの人を惹きつける人気のエリアです。

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まずは南禅寺方面へと歩を進めました。

朝の南禅寺は、荘厳な佇まいと静けさに包まれています。

日本三大門の一つに数えられる三門(重要文化財)には、約50本のソメイヨシノが咲き誇ります。

サスペンスドラマのロケ地としても知られる「水路閣」(レンガ造りのアーチ橋)では、歴史的建築と桜やもみじが調和する美しい風景も楽しめます。

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続いて永観堂へ。

「みかえり阿弥陀」として知られる阿弥陀如来像がある永観堂。

紅葉の名所として有名ですが、春には境内の桜も見事で、落ち着いた庭園の中で春の風情を味わえます。

南禅寺

京都市左京区南禅寺福地町86

Webページ

永観堂(禅林寺)

京都市左京区永観堂町48

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哲学の道の起点「熊野若王子神社」

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永暦元年(1160年)、後白河法皇が熊野権現を勧請し、永観堂の守護神として建立。

社名は天照大神の別称「若王子」に由来します。

かつては本宮・新宮・那智・若宮の四社からなる神社で、室町時代から武家の信仰を集めてきました。

足利義政によって花見の宴が催された記録もあり、古くから桜の名所でもあります。

御神木は「梛の木(なぎのき)」。その葉は、熊野詣や伊勢参りの際に穢れを祓うお守りとして用いられました。

神紋には、日本神話に登場する三本足の「八咫烏(やたがらす)」が梛の葉をくわえた姿が描かれています。

若王子なで牛は自身の体の悪い箇所をなでた後、牛をなでると病気やけがの回復を願えるとされ、学業成就を願う参拝者も多いようです。

小さな神社ながら、通りから少し奥まった静かな木陰にたたずみ、心落ち着く場所でした。

熊野若王子神社

京都市左京区若王子町2

市バス「南禅寺・永観堂前」より徒歩9分

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春の哲学の道・桜の小径を北へ

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約420本のソメイヨシノが疏水沿いに咲き誇る、桜のトンネルのような散策路。

花びらが水面に舞い落ちる風景は、詩的で心が洗われるような美しさです。

この日は道端で音楽を奏でる人たちもおり、春の陽気とあいまって、歩いているだけで心が弾みました。

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途中の開けた場所では京都の街並みを一望できる景色もあり、地域猫や野鳥にも出会える自然豊かな道です。

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道沿いには和食店やカフェ、雑貨屋など、立ち寄りたくなる個人店が点在しているのも魅力のひとつです。

哲学の道の真ん中よりやや北にある、静かにたたずむ法然院へ。

茅葺屋根の山門と苔の庭が春の光に包まれ、神秘的な雰囲気を漂わせます。

作家・谷崎潤一郎が愛した「谷崎桜」と呼ばれるしだれ桜も静かに咲き、人々の心を癒します。

そして、哲学の道の北の端にあるのが世界遺産の銀閣寺です。

東山文化の粋を極めた銀閣寺(慈照寺)では、春の庭園美が堪能できます。

青々とした苔庭や、白砂の「銀沙灘」、月光を模した富士型の「向月台」など、幻想的な景観が広がります。

ランチにおすすめなのが、自家製国産小麦うどんがいただける名代おめん 銀閣寺本店。

お昼時は行列ができる人気店です。

また、道中ではアイス入りクレープなどの期間限定スイーツもあり、桜の季節は汗ばむ陽気の日も多いため、思わず食べたくなりました。

ただし朝晩は冷えることがあるので、薄手の上着があると安心ですよ。

名代おめん 銀閣寺本店

京都市左京区浄土寺石橋町74

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静寂な夜の「哲学の道」

京都の夜は全体的に静かですが、この地域も昼間のにぎわいが嘘のように穏やか。

虫の音が響き、銀閣寺周辺は特に落ち着いた夜の雰囲気に包まれます。

白川通り沿いには、本格スペイン料理が楽しめると評判のレストランがあります。

彩り豊かで小皿メニューが充実しており、バル気分で多彩な味を楽しめました。

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おすすめメニュー(一部):

  • ムール貝のチリトマト煮:770円
  • マッシュルームの生ハム詰めオーブン焼き:825円
  • モロッコ風豚肉の串焼き:770円
  • 若鶏のスパイスグリル(パプリカ風味):770円
  • 魚介と米のカタルーニャ風スープ:990円

どの料理にも個性あるソースが添えられ、特にトマトソースは絶品。

地中海の風を感じる味わいは、日本人の口にもよく合います。

Tio Pepe

京都市左京区北白川東久保田町6

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「哲学の道」は心の余白を感じる場所

観光地でありながらも、喧騒から少し離れたこの道は、"心の余白"を感じさせてくれます。

春の京都で、桜と静寂とゆっくり対話してみませんか?

心がほどけるような、やさしい時間が待っています。

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