シェア/L/D/K 1R賃貸再生プロジェクト

築17年の一棟マンション。
入居率が35%近くまで落ち込み、23部屋中15部屋が空室でした。(2011年7月時点)
稼働率の低下は何もこの物件だけに限ったことではなく、経年とともにほとんどの賃貸物件が経験すること。
入居率が低いのは、家賃・築年数・設備・近隣の新築マンションなど、様々な要因があげられます。
「家賃を下げました」、「室内のクロスをすべて張替、ハウスクリーニングしました」
単純な作業を繰り返すだけで、入居率を100%にするのは難しそうな典型的な間取りのワンルーム。
家賃を下げて入居者を募る、新しい設備を入替え募集しても、退去者が出るたびに同じことをやり続けたら、
改修費だけで月々の家賃が消えていき運営が成り立たないのは目に見えています。

そんな誰でも思いつくような即席の解決策ではなく、いかに劣化しない価値、競争力をつけることができるか?
住めば、住むほど「愛着」が湧いてくるワンルームマンションをつくることはできないだろうか?
1R賃貸再生プロジェクトメンバーで話し合いました。
立地や設備だけが、暮らしの豊かさや心地よさを決める物差しでしょうか?
建物の設備・機能性というハード面、日常の暮らし方というソフト面。両者はとても密接な関係です。
今回の計画はハード面とソフト面、両方のリノベーションが必要ではないかと考えました。

家賃を上げるために単純な改装をするのではなく、今後家賃を下げなくてもよい仕組みをつくること。
経年をポジティブに捉えること、それがリノベーションの最大のモチベーションであり、
リフォームとの違いなのではないでしょうか?
弊社が管理するワンルームマンション案内時に、
「ガスコンロが二つ欲しい」、「和室が洋室だったら」などのハード面とあわせて
「人と交流できる生活がしたい」、「夜一人ではさびしい、誰か居てほしい」。などの
ソフト面でも声をいただきました。
「ワンルームに住みながら、人との距離感を自由に作れる場を提供する」
この考えはコーポイチハラ(シェア/L/D/K)計画に大きな影響を与えました。
住み手の声をひろい上げていくことで、ソフト面=環境利用価値が高まり、
入居希望者の声に答えていくことで付加価値やポテンシャルが上がり、空室対策に繋がります。

1階の2部屋の戸境壁を取り除き、入居者が自由に利用できる「シェアルーム」にリノベーションしました。
キッチンに、大型ステンレスキッチン、IHクッキングヒーター、調理・配ぜん台を設け、
鍋・調理器具などをそろえ、入居者同士で本格的な料理ができ交流を図ることができる共同空間に変更し
何でもかんでも費用をかけるのではなく、削ぎ落とす部分、付け加える部分を線引きし、新しい住み方を提案する。完成したシェアルームは、入居者みなさんの協力が必要です。
今では、入居者さんが自発的に「イベント」を提案されたり、
仲良くなったグループ同士で出かけたりするそうです。
日常では会わない人達と一緒に住み、毎日をほんの少し特別な暮らしができるのが
コーポイチハラ(シェア/L/D/K)の魅力です。

シェア/L/D/K(コーポイチハラ)シェアルームにて
TAKOPA(たこ焼きパーティ)の様子
具材は蛸・チーズ・餅・アーモンドチョコ・アポロ(チョコレート)・キムチなど。
人数が集まれば、それぞれの家庭の味で色んな具材が集まりました。
はじめて食べたキムチのたこ焼きは意外に美味しかったです!
案内時、エントランスをくぐり、シェアルームにご案内すると「楽しそう!」と感じてもらえる。
外観や室内は典型的なワンルームだけど、コーポイチハラ(シェア/L/D/K)の1階にはシェアルームがあり、
入居者同士のコミュニケーションができる心躍るポイントがついてきます。