西陣織屋建の家 竹紙

全国各地の職人さんは、それぞれの土地にある竹を使って紙を漉かれているそうで、
今回は地産地消をかかげる「エシカルハウス」のコンセプトに基づき、
京都で竹の産地として有名な西京区洛西から仕入れ、この家で実際に漉かれているという
小林さんの竹紙をオーダーでお願いすることになりました。

竹紙

もともと出版社にお勤めで、紙に触れる機会が人一倍多かった小林さん。

どうして竹紙を漉かれるようになったんですか?という質問に、
「これまで紙にはずいぶん触ってきたけれど、原料である植物のことを考えたことはなかったんです」
と話してくださいました。

竹紙

ある時、毎日使う紙についてもう一度見直してみたい、という気持ちになり
日本に竹紙の文化を甦らせた小説家の故水上勉さんのすすめで、一から竹紙を作ることに挑戦されたのだそうです。

竹を切るところからはじめて、1年間水につけ、何日もかけて水に晒しながら洗い、煮込み、
砧(きぬた)を使って叩きながら繊維をつぶし、水に漉く。

その繰り返しで出来上がった初めての竹紙は、
「不出来だったけど、美しかった。すごく自然を感じました。」

水上勉さん

「水上先生に話したら、その感動を人に伝える仕事が待っています、と言われたのです。」

手間を惜しまず自分の手で1つ1つ丁寧に作り上げることの尊さ、その精神を伝える竹紙作りを仕事に選んだ小林さんは
エシカルの考えを超え自然の環の一員となっている、
笑って話す穏やかな表情に、この家を包む強い世界観と優しい空気の理由を感じ取ることができました。

お茶

小林さんが入れてくださった濃く深い緑色をしたあたたかいお茶には、
ほのかな苦みと甘みの中に豊かな自然が薫り、
その丁寧な暮らしぶりが滲み出ているような気がしました。