住宅ローンアカデミー part7 上級テクニック

銀行ローンが予定通りいかない・・・でもお金をなんとかして融通したい方へ。
そんな場合に有効な方法と、そのメリット・デメリットをまとめました。

援助(贈与)を受ける

ご両親の援助を利用し、不動産に持分を入れる

この理屈は簡単で、ご両親の援助分だけ登記上の持ち分を入れる事です。

例えば2000万円のうち本人が1500万円負担し、残り500万円をご両親の援助を受けた場合、本人の持ち分が3/4、ご両親の持ち分が1/4となります。
固定資産税・都市計画税もきちんと按分してください。
所有権の登記名義にご両親のお名前が入りますが、まずは住めればいいという方でしたら、この方法が早いです。

援助(贈与)の図

ご両親より贈与を受ける

贈与税は累進課税方式ですが、税率の設定が相続税と比べかなり高いので、普通に贈与を受けるとかなりの額を納税しないといけないことになります。
これは、以下の方法で贈与を受けることで、税負担を回避することができます。

基礎控除を受ける

毎年110万円までの贈与は税金がかかりませんので、親御様に支援して頂くことが可能です。
前記に紹介した、持分を入れる方法と組み合わせることがお勧めです。

また税務署対策として、110万円を超える贈与を受けた場合、確定申告をしておくこともミソです。

この制度は、65歳以上の親が20歳以上の推定相続人である子供(代襲相続人を含む)に対して生前贈与を行う場合に利用することができます。
もらった人ごとに、この制度を適用するかどうか選択できる納税制度です。

生前贈与の際に贈与税を納めますが、累計2500万円を超えるまで贈与税は発生せず、
2500万円を上回るときは超えた金額に対して一律20%の税率で課税されます。

贈与の税金についての図

その後相続が発生した時に、贈与を受けた財産と相続した財産を合算して相続税額を算出し、
それまでに払った贈与税が相続税に足りないときは不足分を納め、逆に払い過ぎなら還付金を受けられます。
これが「相続時精算」の意味です。

贈与と相続を一体として計算するだけで、制度を使わない場合に比べて相続税が減るわけではないですが、
生前贈与が行いやすくなるのが利点です。

なぜなら、用途が住宅資金なら、2500万円に加え1000万円分の特別控除が加わり、
さらに、親の年齢が65歳以上という条件がなくなります。

住宅取得のための資金の贈与額についての図

※特例の適用を受けるには物件の要件がありますので注意が必要です。適用をご検討の際は税理士にご相談ください。
②は戦前の伝統工法の物件(町家)では利用できません。

共同担保を利用する

銀行ローンの審査の際に購入物件の担保評価不足で融資を受けられないと指摘された場合でしたら、
両親に共同担保をお願いしてみるのも一つです。

融資の担保にご両親所有の物件を組み込んで、抵当権のための担保とすることができます。
購入物件の老朽化などで銀行の担保評価が低いなど、担保力が弱い場合などに有効です。

但し、万一融資の債務が滞った場合、共同担保物件も競売手続きになる可能性があることは否定できません。

共同担保についての図

ご両親にお金を借りる

銀行からローンの借り入れができない、もしくは足りない場合は、ご両親に借りるという手があります。
その際には以下のような手続きをきちんと踏んで下さい。

金銭消費貸借契約を結ぶ

お金をいくら、いつまで、どんな金利で、借りるかということをきちんと書面にして残してください。
金銭消費貸借契約の書類に書くべき内容は以下です。

1借入金額、2返済金額、3返済期間、4金利

一般的にはさらに違約損害金の利率の設定もありますが、親子間であれば敢えて不要と思います。
ただし、親族だからといって金利無しでは通りません。
経済通念上、妥当と思われる金利を形式上設定する必要があります。

毎月きちんと返済し、記録を残す

振込みをして毎月返済しているという証拠が納税問題でトラブルにならないために必要です。
通帳やインターネットで印刷したもので経緯が確認できれば問題ありません。

親子ローンを利用する

二世帯住宅に住む方の場合で、まだ親御さまが現役で働かれている場合、ご収入のある場合は親子ローンが可能です。
ご両親が借りたローンを、将来子どもが引き継いで返済するタイプの住宅ローン(親子リレー方式)、
または返済方法で親子で連帯債務を負う(親子ペア方式)パターンがあります。

一般的な住宅ローンの場合、申込時に55歳から60歳以下であり、
完済時70歳から80歳といった年齢制限があるため、
通常は50歳のときに35年ローンを組むことは実務的にはできません。

親子リレーローンによって、ご両親が高齢になっても長期の返済期間でローンを組むことが可能になります。
ご利用可能な銀行が限られていることと、親子どちらかの単独名義にされた場合は
相続・贈与税の対象となりますので注意が必要です。

そのほか

そのほか、住宅を購入するために有効なローンを以下にまとめました。
購入物件の特徴やお客様の条件に合わせてご検討ください。

なお、下記2でご紹介した住宅ローンは、いわゆる一般の住宅ローンと比べ金利が割高ですが、
特に再建築不可物件などの場合は再建築可能な物件よりも安価なため、お客様の返済額との収支が合えば、十分ご検討いただける選択肢となります。

親御さまからのお借り入れ(金銭消費貸借契約)、 贈与税の基礎控除及び相続時精算課税制度は、
かなり一般的に利用されております。

住宅ローンに極力頼りたくない、そんな方はご両親に相談をして 積極的に利用してみてはいかがですか?